211話 ライルvsガルド -2
「な、なんでぇぇ!!」
「お前は俺の【竜化】を外れスキルだと言ったな? だが、蓋を開けてみればなんてことはない。お前の【剣聖】が外れスキルだっただけのこと」
「ち、畜生!! なめやがってぇ!!」
ガルドが叫びながら何度も剣を振るってくる。
S級スキル【竜化】持ちの俺には、その動きが酷く遅く見えた。
「――【竜尾】」
「がっはあああぁっ!?」
部分的に竜化させた尻尾を使い、軽く薙ぎ払う。
それを受けたガルドは地面の上を転がっていった。
……少し力を入れ過ぎたか。
連合軍の集団に合流してしまった。
「おい、ガルド。有象無象に紛れ込んで逃げるつもりか? それとも何か策があるか?」
「…………」
「だんまりか。まぁいい」
逃げられても面倒だ。
集団ごと魔法で薙ぎ払うか……。
俺が魔法を使うために右手を掲げた時だった。
「わ、若様……」
「――ん? お前は……」
群衆の中から、見知った女が現れた。
彼女はガルドに剣を突きつけられている。
「はっはぁ! ライル! これでも俺を攻撃できるかぁ!?」
「……そいつから離れろ、ガルド」
「おうおう、効果バツグンってかぁ? そりゃそうだろうな! こいつは、お前の親衛隊の隊長だった奴だからな!」
「…………」
ガルドの言っていることは事実だ。
人質のように剣を突きつけられている彼女の名はロゼリア。
かつては俺の護衛を務めていた女だ。
もっとも、俺がブリケード王国から追放されてしまったため、今の俺には何の関係もない存在だが……。
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