202話 包囲されたストレア
ロゼリアは俺の回答を国へ持ち帰った。
そして、数週間後――
「おー、おー。よくもまぁ、ぞろぞろと集まったものだ……」
俺はストレアの周囲をぐるりと囲うように集まっている人混みを眺める。
そこには、ザッと数えても1000人近い人数の兵士が集まっていた。
「ら、ライル君! 君が帰還を拒否するものだから、この町は大変なことになってしまった……!」
ギルマスが焦った声で叫ぶ。
「そんなに焦ることか? いい年してみっともないぞ」
仮にもストレアの冒険者を束ねる存在なのだから、もっとドッシリと構えていてほしいものだ。
俺のペットであるアイシャが、彼の娘である――。
その繋がりさえなければ、目障りで殺していたかもしれん。
「こ、これが焦らずにいられるか! ブリケード王国の圧力に、ナタール連邦は半ば屈した……。いわば、君は2国を同時に敵に回したようなものなのだぞ……!!」
このストレアの町は、ナタール連邦に属する。
そして隣国にブリケード王国。
国家同士でその力関係は対等――と言いたいところだが、実際は違う。
ブリケード王国の方が歴史、人口、国土面積などにおいて圧倒的に上だ。
また、ナタール連邦はその名の通り連邦制なので、国王のような絶対的な権力者は存在しない。
ゆえに、他国との戦争などといった一大事に対して、一致団結して動くということはなかなか難しい。
そんな事情もあり、ナタール連邦はブリケード王国の圧力に半ば屈した。
具体的には――
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