閑話―猫人族の娼婦 前戯


 ドロドロに溶けた林檎のような夕焼けが、街に影を落とす。またこの時間がやってきた……娼家しごとの時間だ。

 憂鬱な気持ちの中、支度を始めた。

 身寄りがなく、冒険者にすらなれない私は別段何ができるわけでもない。

 生きるためには、男に縋る術しか知らなくて。臭くて、汚いモノを受け入れて、気持ちよくもないのに気持ちいいふりをする。

 それしか私にはできない。



 ――猫人族の娼婦 リン視点――



 ギルドが管理する娼家のとある一室。

 お風呂がついた十二畳くらいの部屋にソファとダブルベットが置いている。

 そんな部屋で指定された時間に来るお客を待つ。ここが私が行う仕事のスペースで、お客が来る間に体と心を整えるのがいつもの日課だ。

 私はベットの側にある三面鏡に向かいながら、自分へとチェックを入れていく。

「耳よし、尻尾よし、表情よし、私は今日も可愛い!」

 そう自分へと言い聞かせるようにして口に出し、今日も愛されるために自分を整える。


 ――正直、セックスは好きじゃない。

  男の人の性欲の捌け口にされて、ガンガンと腰を振り突かれるあれは、正直、痛いだけで気持ちいいなんてものじゃない。

 それなら自慰してる方がいい。

 でも、私にはそれが必要なのことで。

 仕事としての娼家は国からの支援が厚く。未来の人材として、子供を作らせることや、冒険者にこの国に永住させることを目論んで、ギルドの経営の一つとして組み込んでいる。

 その為、娼婦は一般的な仕事よりお給金が良く、子供を作れば作るだけ児童手当もつく。例え、子供ができ仕事ができなくなっても、ギルドによってその後の生活保護が受けられるから、誰かの被扶養者にならなくても生活だけなら困ることはなくなる。それに女の子は魔物やらの対策で貞操帯と避妊魔法は常備してるから、基本的に子供を作るとなれば、貞操帯や避妊魔法を解く必要がある。それもあり、男性との関係は必然的に婚姻を前提とした関係になる。

 気に入った人の被扶養者になれて、この稼業から足を洗える。子供ができれば生活も保証され。それだけで見れば、この仕事も男の人に群がられることも悪いことでもないのだけど……それはそれで、政治的過ぎて。

 こんな仕事をしていても、私だって女の子としての夢がある。対等な関係で、好きな人と子供を作りたい。何より、心の奥深いところにある気持ちが繋がるような、幸せなえっちがしてみたい。

 生活を考えたとしても、えっちが不快なだけの関係で、子供を作るまで行うなんて……仮面を被ってられる自信もなければ、生まれる子供を愛せる自信もない。

 感情が伴わない関係なら今と何ら変わりないし、それなら今の方がいいかなって思う。それでも、まだっていうくらいで。

「この仕事、私にはあってないよなぁ~」

 だからといっても、好きな人なんていないし、子供を作る気もない。

 学のない私が他に出来るような仕事なんて冒険者くらいしかなくて。でも、それは今よりももっと無理そうな気がして……というか、すぐ死んじゃうだろうし。

 だからせめて、ここで優しくしてもらえるように可愛い私を売るんだ。

 ――と言っても、どれだけ繕ってもあんまり効果はなく。お金で買われてしまえば、男の人が気持ちよくなる為の道具にされてしまう。

 まぁ、それは私が亜人ということもあるんだろうけど……なんにしても、男の人はもう少しくらい女の子の気持ちを理解する努力をしてほしいものなんだけど。

 ――無理な望みなんだろうな。



 そんなことを考えている中で、部屋にノック音が響いてくる。

 ――お客さんだ。

「すいませーん」

「はーい」と声に答えるようにして私は出迎えた。

「こんにちわ〜」

 そう一言口にして、部屋に入ってきたお客さんに私は驚いた。綺麗。え? 女の子? いや、違う――男の子だ。と今日のお客は、少女に見間違えるほどの美少年だった。

 背丈は私より少し高いくらいで、キメの細かい肌、柔らかい瞳は女の私でさえ見蕩れるほどに綺麗で。

 これ、私、女の子なのに負けてない? なんて、思わせられていた。

 ギルドからは若いお客とは聞いてたけど、まさかこんなにとは。

 三年前、私がウリを始めた頃と同じくらいで、十五歳前後に見える。お店に来るのは早い気もしなくもないけど……おっと、いけない、お仕事なんだ。

「お話は聞いてるよ。ナギサくん、だよね。今日は朝までのプランで大丈夫?」と私は愛想笑いを浮かべながら、親しみやすいように話して今日の確認を取っていく。

 それにしても、朝までのプランかぁ……まぁ、料金高いわりに、一、二回とえっちしたら終わるから、仕事としては楽なんだけど……

 若い人はすぐ挿入れて無理やりするから、その一、二回でもしんどいんだよね。と不安を感じていると、少年は少し気恥しそうにすると。

「はい。それでお願いします……なんだか、今日は寂しくて……よろしくお願いしますね」ハニカミながら言葉にした。

 え? 可愛い。庇護欲を搔き立てられるような言動に胸がキュンとさせられてしまう。

 うぅ、だめだめ、お仕事お仕事。と自然と緩ませられる意識を引き締めるながら、これからの予定を尋ねる。

「えっと、どうする? すぐしちゃう?」

「うーん。時間もあるので……そうだ。ここ、お風呂着いてましたよね」

「うん、あるよ」

「よかったら一緒に入ってくれませんか?」

「え? うん、いいよ」と少し驚きながらも承諾する。すると少年は"よし"と小さくこぼしながら、これまた小さくガッツポーズを取った。

 見えてるよ。ふふ、でも、そんなに嬉しいんだ。年下の子のお願いだと思うと余計にかわいく思えちゃうな。と引き締めた所の意識がまた直ぐに緩ませられる。

「じゃあ、お姉さんさっそくですけど、行きましょ!」

 少年はそう言葉にすると、私は手を取りお風呂へと誘った。

 うぅ、さっきから、なにこの子!? 言動全てが一々可愛いんだよぉ!! 



 ――悶えながらも脱衣所に着くと、衣擦れの音を立てながら服を脱いでいく。私だけが一糸まとわぬ姿となり、少年は腰にタオルを巻いていた。

 恥ずかしい――のかな? そうか、思春期ってやつだ。かわいいな。と愛でたくなるような気持ちを高ぶらせていると、少年は私の裸を見つめて、喉を鳴らすと一言を呟いた。

「綺麗」

「――ありがと、君も、かっこいいよ」

 不意に口をついたそのお返しの言葉に、それが本心で口にいている自分に気がつく。

 発達した首筋を支えるように浮き出る鎖骨。細く見えていた体からは、想像がつかないほどに胸部が厚く、お腹は六つに割れるような線が入っている。

 私は外見から見える可愛らしさの中にある、それとは真逆の男の子の部分に見惚れてしまっていた。見てるだけでドキドキしてくる。

 そういえば、ギルドはこの少年の事を漂流者っていってたっけ?

 その割に清潔感があって綺麗な体。でも、やっぱりうっすらとだけど傷が残ってる。としっかりと手入れされた体には美少年には似つかわしくない傷が残っていた。けれど、それすらもギャップに感じて。かっこいいなぁ。私じゃあできないことを男らしく頑張ってるんだ。

 かわいくてかっこいいなんてずるくなかな? とそんなことを思っていると、少年が尋ねてくる。

「あの、お姉さんの髪、俺が洗ってもいいですか?」

「え? 髪?」

「はい、そのふわっとした綺麗な髪。触ってみたいなって」

 それにこの子、何に対しても紳士的で細かく褒めてくれてるし、さっきの手も引っ張るよりも誘うように引いてくれていた。

 いつもは乱暴な男人ばかりだからこういうの新鮮で、胸がきゅんってしちゃう。と社交辞令だとしても、うれしくなったは私は頬を緩ませながら言葉にしていた。

「うん、いいよ」

 それにしても、お風呂を強請るお客ですら珍しいのに、性的奉仕じゃないことで、何かしたいって強請られるのも始めてだ。

 勝手がわからないから少し緊張しちゃう。

 シャワーを浴び、軽く汗を流すと、少年は備え付けの鏡の前に私を立たせる。

 それにより改めて見られていることを自覚すると、緊張と相まって視姦されるような恥ずかしさが募り、羞恥心から胸と下腹部を手で抑える。

 すると、少年はシャワーを持ちながら背後にまわり、片手で毛先を梳かし始めると同時に言葉を掛けてきた。

「じゃあ、一度流しますね。何かダメなことあったら言ってくださいね」

 あっ、そういうのもちゃんと言ってくれるんだ。

 いつもは我慢することが当たり前たったから、つい受け入れそうになってたけど……今日は素直になってみようかな。と少年の優しさから緊張が解れると、言葉に甘えるようにして要望を口にした。

「うん。あ、あのね。頭から髪を濡らす時は正面から掛けないでくれると嬉しい」

「猫耳ですもんね」

「そうなの。あんまり正面から掛けると、耳に水が入っちゃうから」

「わかりました」

 少年は受け応えると、私が注意したように後ろから全体を濡らし、シャワーをフックへと掛ける。それから髪用の石鹼を泡立て、また毛先から梳かすようにして泡を浸透させていった。

「んん♡」

 まってこれ、自分で洗うよりも丁寧で気持ちいいかも。

 毛先から後頭部に上がり、側頭部、そして前頭葉から耳へと指が伝う。

 泡を満遍なく馴染ませると、後ろ側からお湯を掛け、髪が傷つかないように線に添いながら、指のお腹でも揉み込むようにして洗い流していく。

 やっぱり丁寧だな。なんだか大切にされてるみたいなで、心がポカポカする。

 それに言わなくても私がして欲しいことを思った通りにしてくれて、心が通いあってるみたいで……こういうのいいなぁ。

 優しい気持ちが痛いほど伝わってきて、胸の中がとてもきもちいい。

「んん……はぁ……んっ♡」

 気づけば肉欲とは違う快楽に、私は息を荒くさせていた。

「お姉さんの耳、可愛いですよね」

 そう言いながら少年は後ろ側の耳を柔らかい触り方で、なぞるようにして指を這わせると、それによって体がビクっと反応する。

 ……!? 何、今の? と思いながらも平静を装いながら答える。

「そ、そう?」

「毛並みも綺麗だし」

「えへへ、ありがとう」

 そう受け答えるも、あまりの気持ち良さから声を漏らしそうになっていた。

 あぁ、これやばいかも。

 褒められたり優しくされたりで心の快楽が高められてる。しかも、それと同調させるように頭を撫でるように触られて、自然と体の快楽も強まって。乳首や、お〇んこが疼いちゃって。

 知らず知らずに心から体を受け入れさせる準備を整えさせられちゃってるんだ。

 声を我慢するよう、人差し指の裏を噛むようして手を当てる。すると「お姉さん可愛い」とそんな少年からとは思えない心地よい低音が鼓膜に振動した。

 耳元で聞くこの声もいい。鼓膜から頭の中がぴりぴりってして気持ちよくて。低くてかっこいい声だから、男の人に褒められてるって感じが強くて、胸がバクバクとして。

 う"ぅ"ぅ"。と悶えながら少年の声に酔いしれていていた。

 そんな中、少年はシャワーをフックに固定すると、手から体へと石鹸を泡立て、正面から少し右よりに回った。すると、抱きつくようにして体を押し付けてくると、片手を背中へと回し、空いた手を胸へと運ぶ。

「お姉さん、本当に綺麗だよ」

 そう耳元で囁く言葉と同時に、後ろに伸ばした手で、優しく尻尾に触れると、軽く握り、上から下に手を這わせるようして尻尾を洗っていく。

 それに合わせるように、胸へと伸ばした手で乳房の外から乳輪、そして乳首へと指先を立てるようにして優しく収束させていった。

 え、何これ、すごい。

 筋が張った硬い腕に抱きしめられながらされる優しい愛撫に、初めての感覚を覚えさせられ、全身の感度が高められていくのがわかる。

 指がおっぱいに触れて。でも、揉み込むような感じじゃなくて、指先で乳首が。と乳首に神経が寄せられるようにされ、快楽が高まっていくと、自然とぴんと立たせていた。

 少年は見計らったようにして石鹸をシャワーで流すと、口を胸元へと近づけ、舌を乳首に這わせる。それと同時に、尻尾へと伸ばした手で尻尾の付け根をトントンとするように撫でた。

 それにより、全身に痺れるような快楽が駆け巡ると、我慢が利かなくなった私は声を漏した。

「っん、んんん……そこ、だめぇ♡」

 私は無意識のうちに撫でる手の方へと突き出すようにして腰を擦りつけ、強要するように態度で強請る。

 ――なんで、身体が勝手に!?

 それが猫人の種族故の快楽だと言うことを直感的に理解するも、本能の快楽には抗えず、思考が溶け出す。

「んぅ、ん、もっと……もっとしてぇ♡」

 知らず知らずの間に言葉でもおねだりをしていた。

 少年はそれに答えるように擦りながらも、乳首へと軽く歯を立てる。

 ピリッとした感覚に、溶けた思考が引き戻されると、改めて実感させられる。

 あれ? 私、おっぱい甘噛みされて。あれ? あれ? 私、いつの間に、こんなにエッチなことされてちゃってたの?

 でも、この光景、すごくエッチだ。その光景に喉を大きく鳴らすと同時に。年下の子に気持ち良くせられてるんだ。と背徳感を募らせる。

 でも、これでいいんだっけ? 私がしないとダメなんじゃ? と思いながらも、初めて経験する心と体の快楽に抗えず。少年の行動ひとつひとつを受け入れて、酔いしれていた。

 少年はゆっくりと舌を伸ばすと乳輪の周りを回すようにして這わせ、私の反応に合わせて乳首を覆うようにして舐め上げる。

「んっ……あっ♡」

 ざらざらとした感触なのに、舌を乗せるように這わせてるだけだからか、強くも無い刺激で。ただ甘く刺激されて、気持ちがいい。

 気がつけば、乳首の神経が研ぎ澄まされ、じんじんと熱を帯びる。

 乳首痛いくらいに立っちゃってる。それにお尻と胸しか触られてないのに、お腹の奥もきゅんきゅんとして。

 優しい愛撫に私はいつの間にか喘ぐように声を出していた。

「あっ、んん……ぅんっ、あぁ……ふぅ……んん♡」

 何だか恥ずかしい。普段はそう思わないのに……これが、本当の喘ぎ声なんだ。

 自分でも知らないような甘い声を出す度、快楽が増し、気持ち良くなっていく。

 少年もそれにあわせるように私が感じるところを探って……もしかして、声で私の感じる所の辺りをつけてる? と気がつくのが遅く。

「お姉さん、もっと声聞かせて」

 少年はそう声に出しながら、窄めた口を乳首につけるとリップ音を立てた。

 それと同時に強く尻尾の付け根を摩ったその瞬間、体に電気のようなものが流れる。

 いつの間にか強ばっていた体にも気が付かず、腰をびくびくと跳ねさせると「んん……っあ……ぅん、ぁぅ……ふぁっ……ぅんんんんぁっ♡」と大きく声を上げてしまった。

 そう私は少年の手によって、いとも容易く快楽の頂点に上り詰めさせられたのだ。

 え? 何これ。もしかして、私、イッちゃった? 

 お尻と胸だけで? オナニーですらこんなに早くイかないのに……それに自分でするよりも深くて、気持ちいい。そう思いながらも、その感覚と跳ねる体を受け入れ、収まるのを待つ。

 少年はそんな私を支えながら前へと移動する。

「次、お姉さんね」

「……うん♡」


 ――私はそれに頷きながら息を整えていくと、手から体へと石鹸を泡立て、ガクガクとする足を支えてもらうように背中から手を回して抱きついた。

 あぁ、やっぱりすごいな。さっき抱きしめられている時にも感じでたけど、見た目よりもガッシリしてて、男らしくて。

 少年の体に心を欲情させながら、手を這わせ、胸からお腹。そして下半身へと手を伸ばしていった。

 絶頂の余韻が収まり、余裕がもどってくると。

 さっきのは驚かせられたけど、こっちが攻めに入っちゃえばもうさっきみたいにはならないよね?

 私だって一応プロだし。あんなに気持ちいいことしてくれたんだから、私だって気持ちよくさせて上げたい。と何時の間にか仕事を忘れ、私情で気持ちよくさせてあげようと考えていた。

 腰に巻いたタオルを外すと、下腹部へと手を這わせる。私はそれにかなり驚かされた。

 え、これ、おち〇ちんだよね。

 まだ立ってないのにこれって。と平常時の大きさに驚く。生唾を飲み込みながら、刺激するように揉み、そそり立たせていく。

 背伸びをするようにして少年の肩から、のぞくように少年の下半身へと視線を送った。

「えっぐ」と無意識に声が漏れてしまう。それに気づいた私は訂正するように続け

「ごめんなさい。汚いとかじゃなくて……その、大きさが似合わないから。つい」とそう正直に答えると、少年は少し申し訳なさそうに言った。

「よく言われます」

 よく言われるんだ。てことは、やっぱり、少年もエッチなこといっぱい経験してるのかな?

 でも、拳を前後に繋げても亀頭がはみ出て……でも、大きいのって男の人なら自信になるんじゃないのかな? 自慢げに口に出して言う人多いいし……そうか、この子は女の子の気持ちを理解してくれてるんだ。

 まぁ、あんなに女の子が気持ちよくなれるツボ知ってるんだから、慣れれてて当然と言えば当然だよね。

 でも、私だって年上として、プロとしてのプライドがある。

 その大きさに驚きながらも、膝を床につけると手に唾液を乗せ、笠の部分から竿を包むように握ると、ゆっくりと前後に擦った。

 いっぱい経験してるなら、その中でも一番気持ちよくしてあげなくちゃね。と竿を擦る手に合わせるように股下から空いた手を伸ばし、睾丸を優しく捏ねる。

 完全に勃起したのを見越すとシャワーを掛け、全身の泡を洗い落とす。

「ナギサくん、足広げて、そこに手をついて」

 少年を指示したとおりに立たせると、覗き込むようにして股下に入り、さっきと同じように竿を擦りながら、顔を睾丸へと持っていく。

 本来はここまでしないんだけど、でも、今日は少年の為に頑張っちゃおうかな。とそのまま埋めようにして顔をつけると、鼻を鳴らすようにしながら匂いを嗅いだ。

「すんすん……ふぅ……んはぁ……ぅっ、すぅ……んんぅ♡」

 洗ったばかりなのに、すごい匂い。顔は女の子みたいに綺麗なのにおすの匂いは濃くて、頭がクラクラとしちゃう。そう思いながらも、大きく口を開けると匂いを嗅ぎながら片方の睾丸を口に含んだ。

「んふぅ……れる……んちゅ……ぅぽっ……ちゅ、ちゅっ……んん♡」

「あっ、お姉さん。それ」

 少年の気持ちよさそうな声に気分を良くした私は、竿を上へと擦るように、しこしこしながら擦り、口の睾丸を舌で転がすと、空いた片方でもう片方の睾丸を優しく、それでいて激しく揉みしだく。

 少年の体を跳ねさせる反応に合わせて、動きを変えると、竿を股下に下げる。

「ちゅ、ちゅ♡」

 亀頭に二回キスをして、合図を送ると、ゆっくりと舌を這わせてから口の中へと入れる。口を窄めながら、亀頭を軽く吸い、れろれろと舌で鈴口を穿るようにして舐める。

「れる……ぅぽ……んふぁ……ちゅ、ちゅ……れろ……ぅぷ♡」

 お汁が漏れ出てきて。これ、とても濃い味。

 鼻に抜ける匂いもすごくて。頭の中、少年のおち〇ちんで一杯だ。

「このにおい……あむ……じゅ、じゅる……ぐぽっ……すきぃ……んぽっ……ちゅちゅ……はふっ……ん……んんっ♡」

 あれ、おち〇ちんって、こんなにおいしいかったっけ? いや、私こんなこと思ったこともない。味なんてないし、今日のはとても大きいから、顎も疲れるのに……自分でも不思議なくらいに、もっと、もっとって味わいたくて。

「れる……ちゅ、ちゅっ……ちゅる………んぁ、あむ♡」

 我慢汁を吸い上げながら、味わうように舌を這わせて上下に頭を動かす。

「じゅぽ……ぬちゅ……っちゅ、んん……じゅる……ぽっ♡」

 卑猥な水音がお風呂場に反響する。

 その音に私は。この可愛い子のこんな立派なおち〇ちんを気持ちよくす為だけに私の口でしゃぶって立ててるんだぁ。と自分自身を興奮させていた。

「姉さん、それやば……気持ちよすぎ」

 その言葉に少年は足をガクガクとさせる。

 えっちな表情。かわいい、かわいいよぉ。私の舌、人間よりざらざらしてるから痛くないかと心配したけど、本当に気持ちよさそうで。もっとしてあげたい。もっとその顔が見たい。

「れろ……ぐっぷぅ……じゅる……ぅぽっ、んん……れる……ちゅ、ちゅうぅぅ♡」

 けれど、少年は私の頬に手を触れて頭の動きを止める。

「ん、お姉さん。待って。もう出そうだから……せっかくだからゆっくりお風呂入ろ」

 少年はそう言いながら、お湯が張った浴槽へと浸かる。名残惜しそうにする私に、少年は言葉を続ける。

「ね。お姉さんもおいで」と前方を指すようにして誘導する。

「……うん」

 そう答えるも、気持ちよさそうにするあの顔を思い出して、まだしていたい感覚をさせていた。出すまでおねだりされると思ったのになぁ。すこし残念。でも時間あるし、ゆっくりでいいよね。

 って。あれ? 私、いつの間に、こんなにえっちなこと対して積極的になってたんだろう?

 いつもあるはずの憂鬱な気分も今は全くとしないし――これって、ナギサくん、だから?

 そう思うだけで、頬が暑くなるのを感じる。その理由に少し気恥しい思いをさせながらも。偶にはこんな私でもいいよね。というか、私をメロメロにしちゃう、ナギサくんが悪いんだし。なんて、理由をナギサくんへと擦り付けた。

 私はナギサくんの胸へと背中を預けるようして浴槽に座ると、ナギサくんは背中から私を抱きしめ、手を握る。すると眺めるようにして湯船から少し上に出した。

「さっき、洗ってくれてた時思ってたんだけど指とても綺麗だよね」

「褒め上手なんだから、でも、うれしい」

「この手、好きだなぁ」と言うと、私の肩に乗せる自分の顔に近づけると軽く唇をつける。

 お世辞じゃないんだ。とナギサくんは背中に当たるおちんちんを跳ねさせながら言葉にしていた。

「素直なのはいいし、言葉も嬉しいんだけど、ムードは大切じゃないかな?」

「う、ごめんね」

 しょんぼりとする表情。あぁ、もう可愛いな。って、これ私の方が癒されてない? でもいいよね……今日くらいは、お仕事だって忘れちゃっても。

 そこから、完全にプライベートモードになった私はナギサくんに体重を預け、その手を繋いだまま、イチャイチャとお風呂を楽しんだ。


 ……。…………。………………。

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