怪物 とは

@kyomu_udon

プロローグ

20XX年。夏特有の積乱雲が空を覆い、星々のきらめきを奪って轟々と雨を降らせる。

そんな中でもUGN日本支部では、人手不足に喘ぎながら構成員たちが働きアリのようにせっせと働いている。そんな中、”リヴァイアサン”霧谷雄吾の執務室は妙な緊張感に包まれていた。

霧谷の視線の先には、一人の男がいた。喪服のようなスーツに身を包んだ、生気のない男だ。つい数分前に突然現れた彼は、一部ではよく名の知れたオーヴァードだった。

「……それで、何のつもりですか。ファルスハーツのエージェント”クルックドマン” 」

沈黙を破った霧谷の呼びかけに、男は雨に濡れ乱れた髪の毛を直さずに応える。

「おれ、を。”人間UGN”にして、ほしい」


その声は震えていた。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る