115試合目 行くぜ美ら海!

 夜だから景色は海はそんなに見えないが街並みの明かりがポツン、ポツンと光りそれをさらに月光が薄く照らしている。

 そんな景色が一望できるのがこの大浴場だ。

 もし音楽をこの風景につけるなら「島人ぬ宝」がすごく合いそうだ。

 まだ俺たちの修学旅行はBEGINなばかりなんだから!!!!


 ……ごめんなさい。


「すげー!! こんなのが合法で一望できるなんてこのホテルは神か!!!!」

「いやコンクリートだよ??」

「んなのしってるわ」

 俺やっぱこいつと息あってないのかもしれないわ。

 体を洗った俺たちは早速、湯に体をつからせた。入った瞬間に体から乳酸が抜けていくかの如く疲れがどっと出てくるのが分かった。

「今日は結構疲れたな……」

 俺は副交感神経が刺激され、リラックスを自然にした。

「そうだね~~」

 さすがに春馬はお風呂ではかなり落ち着いていて静かだ。こんな春馬は珍しい。

「今日はどうだったよ?」

「う~ん。楽しくてたまらないって感じだった。なんとなくだけど旅をする人の気持ちがわかったかもしれないかな~」

「そうか……そりゃよかったな」

 勘違いしてはいけない。春馬は馬鹿なだけであって普通の感性はしっかりと持ち合わせているのだ。

 だからこいつは面白い。

「西屋敷はどうだった」

「最高。その一言だな」

「はは! まだ一日目なのにもう最高なんて面白いね」

「そうだろ? めっちゃ面白い旅なんだよ」

 二人でここまでじっくりと話をするのは久しぶりだ。

「たまにはいいもんだな……」

「なんかいった~??」

「いんや?」 

 俺も女子たちがいないと気を使わなくて楽だな。

 あいつたちがいるのは面白いがとにかく個性抜群だからな。まるで何日も連続で味の濃いものばかり出される気分だ。たまにはこうあっさりしたものが欲しいからな。

「っていうか明日は水族館だね」

「そうだな。水族館とか小学生以来だ」

「そうなの??? 誰かと行かないの??」

「その質問はな、彼女なし人間にはきついんだぜ?? 覚えときな」

「ふ~~ん?? そなんだ」

 春馬はいい意味でピュアだからな。自分が好かれているなんて気づかないんだろうな。

「ちなみにどんな魚がいるの???」

「それはついてからのお楽しみだな」

「お~」

「そろそろ上がるか」

「おー」

  俺たちは浴槽を上がるとしっかりと体をきれいにしてもってきた着替えに着替えた。そしてそのあとはゆっくりさんぴん茶を飲みながら髪を乾かした。


さて明日は美ら海とアメリカンビレッジか。楽しみだな。

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