107試合目 特にない

 文化祭が終わった俺たちは少し考え事をしていた。

「いやあ……。文化祭も楽しかったね!! ニシ太郎!」

「誰がニシ太郎だクソボケ春馬。お前の日誌破り捨ててやる」

「俺日誌なんて書いてたっけ?」

「例えだ。バカが。それより残りの一大イベントは何か知ってるか?」

「え? 合唱コンクール??」

「それはうちの学校にはない」

「じゃあ……。役員選挙!」

「それは一大イベントではない」

 何か生徒会の人に聞かれたら殺されそう……。

「じゃあ……。あ!!」

「やっとわかったか」

「自由研究」

「馬鹿が。修学旅行だろうが」

「な、なんだってぇぇぇぇ!!!!」

 この反応を春馬は毎週のようにする。多分脳みそがクリーニングでまっさらにされてるか誰かの陰謀か。

「じゃあ俺、西屋敷と同じ班がいい!!!」

「ああ、それはもちろんだ」

 このバカを野放しにしたらこの世が終わる。

「でも班って合計何人なの??」

「大体4人くらいかな」

「ほーん。ってことは5人班もあるってこと??」

「何が“ってことは”かは知らんがそうだぞ」

「でもじゃあ俺たちは残り誰と組むの?」

「私とだよね!!! 春馬きゅん!!!!」

 案の定さくらが寄ってくることまでは想定していた。が……。

「私も入りたい!!!」「あたいも!!!」「俺っちも!!!」「わがはいも!!!!」

 と文化祭でしこりが取れたからだろうか?? また春馬の人気がうなぎのぼりのように上がっていた。

「だがこれはまずいな……」

 すると俺の肩をがっしりとつかむ感触がした。

「俺たちと一緒に組もうやぁあ??」

「ぎゃあああああああああ!!!!」

 びっくりして声を上げてしまったがこいつらは文化祭の時に一致団結(?)をしたやつらではないか。

「そんなに驚かなくてもいいだろ?? 俺たちの仲なんだからさ??」

 なんで男に好かれるのはこんな一瞬なんだよふざけんな。てか俺たちの仲ってあんまリ仲良くねえだろうが。

 俺も春馬の立ち位置になりてえわ。

「というか春馬、大変だ」

「これは俺でもわかるぞ!!! チョコいっぱいってことだよね!!!」

「てめえその季節じゃねえしふざけんな。ぶっ殺す」

 あいつの発言ってなんであんなにクリぼっち辺りにストレートきめるぐらいの威力出せるんだろうな。

「じゃなくて!!! 班がきまらねえんだよ!!!」

「だったら鈴さん誘えば~~~?」

「あいつはダメだ!!! 変態の域を超え……」

「と~~~お~~~~る~~~~?」

 この声は……。神よ、いままでありがとう。

 

この後めっちゃ怒られたし、結局鈴になった。

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