104試合目 再告白 2

 充分に楽しんだ文化祭。それももう終盤に向かおうとしている。それは……後夜祭。うちの学校の後夜祭ではなんと誰でも参加可能だ。つまり紫も一緒だ。

「まあここからキャンプファイヤーの前で踊るわけだが……」

「僕と踊ろう!!! 徹君」

「私と踊るわよ!! 徹!!」

「私とですよね?? 兄さん!!」

 みんながいっせいに迫ってくる。ぶっちゃけゾンビの類にしか見えない。

 多分ギャルがんの主人公もこんな感じなんだろうな。

「おれと踊ろう!! 西屋敷!!」

「お前このキャンプファイヤーの踊る趣旨理解しているか?? ほら見ろ。後ろでさくらが絶句しているぞ?? おっとナイフを持つのだけはやめたまえ」

 さくらは完全に悲劇のヒロインの復讐物語みたいな顔でこっちを見ている。

「じゃ、じゃあこうしよう!! 三人全員と踊る!! これでいいだろ?」

「西屋敷……。俺は??」

「一回黙ってろ」

 こいつがかかわると事態がより深刻なものになるから一旦保留。

 そうして俺は一人ずつと話しながら踊った。

「どうだ?? 今日は楽しかったか?」

「楽しかった! 何より徹君といれたのが最高だった」

「そ、そうか! それはよかった……」

 なんだか紫といると調子が狂うな……。

「それだけかい?」

「それだけってなんだよ……」

「そりゃあ、付き合いたくなったんじゃないかなと」

「っぶ!!! そ、それは……」

「それは???」

「……………………次の人と交代だ!! その話はまたこんどだ!」

「え~~!! わかったよ……。でも手ごたえありそうだし今回はこんくらいにしてあげる」

 本当に……! 積極的なひとだ……。

 

「徹はさ、彼女ほしいとか思わないわけ??」

「そうだな。今は特に考えてないかな」

「え~~。私と付き合ってよ」

「断る」

「なんで!???」

「鈴はもう少し常識を身につけてからだ」

「私常識人だよ???」

「あのな……。常識人はな……」

 周りの注目を集めている。それはなぜかというと……

「両方男の踊りをしたりしないんだよ!???」

 え?? どうやって踊れてんの?? これ奇妙すぎんだろ。

「お前は終了!! 次!!」


「兄さんは私と踊れて嬉しいですか??」

「まあ珍しいから楽しくはあるよ」

「私は最高に楽しいです」

「それはよかった」

「ねえ兄さん」

「どうした???」

「今日一日中、ずっと女の子とイチャイチャしていましたね??」

「えっと……してないです」

「ふ~ん?? 私の目の前でもさっきしてましたよね???」

「ごめんなさい……」

「分かればいいんです! 私で満足してください!!」

「ごめんなさい……」

「なんで!??」

「肉親なので……」

「でもにいさ……」

「ごめんなさい……」


 こうして奇妙なキャンプファイヤーは終わりとうとうがはじまる

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