68試合目 過去のお家

 俺と凛の仲が良かった時、俺たちはよく家で遊んでいた。

「ねえねえとおくん」

「なんだよ?凛」

 この日もいつも通り部屋で一緒に遊んでいた。

「お医者さんごっこしたい」

「え~。お医者さんごっこ?? 急になんで??」

「なんかね。最近ね。お医者さんにあったんだけど、すごいカッコよくてね、とおくんがやったらもっとかっこいいんじゃないかなあって思ったから」

 凛はジェスチャーをしながら徹に伝えた。

「そーなんだ~。凛ちゃんはお医者さん好き?」

「かっこよくて好きだよ」

「じゃあやろ」

 当時の俺は単純だったため凛が好きだといったものはすべてやった。

 徹は聴診器のおもちゃを付け医者の役を。凛は患者の役をやった。

「今日はどのようなご用件でしたか」

「最近、胸がトクなんか変なんです」

「それは困りましたね、では胸の音をきいてみましょう」

 そういうと徹は凛の胸に聴診器を当てた。

「あっ」

「どうしたの?? 凛ちゃん??」

「なんかね、胸に当てられたときちょっと変な気分になっちゃって」

「大丈夫?? やめとく???」

「大丈夫。もう一回やろ」

「う、うん。胸の音を聞きますね~」

 そういうと徹はまた凛の胸に聴診器を当てた。

「あっ。やっぱ変な気分になる……」


「すとおおおおおおおおおおおおおおおっぷ!!!!!」

「どうしたの徹さん。回想中よ?」

「これ完全にいけない奴だから!!!!! 児ポだから!!!!」

「これだけ愛し合っていたのよ? 私たち」

 まじでなんでこいつのことが好きだったのか俺にはよくわからない……

「いいなあ、徹に胸触ってもらえて……」

「変態は黙ってろ!! 凛お前もだ!」

「はい……。私は変態雌犬です……っはぁはぁ」

 そういうと凛はおすわりをした。

(こいつらめんどくせえ!!!)

「あのなぁ……だから……」

 俺が全部言い終わる前に、俺の部屋のドアが開いた。

「兄さん!ご飯できましたよ……って……」

 (あかーーーん!!! こんなの見たら柚希は怒る……)

「兄さん、だめですよ! あはは」

(あれ?? 怒ってない??)

「こんな事したら、死刑ですから……ね?」

(いやめっちゃ怒ってたぁぁぁ!!!)

「ち、違うんだ! これは凛が勝手に!!」

「はいはい! 死刑死刑!」

 相槌が怖すぎるよ!! ってか話を聞いてくれえ!!!

 柚希は扉を閉めていってしまった。

「ゆずきぃぃぃぃぃ!!!! ちがうんだぁぁぁぁぁ!!!!」

 俺はその場で崩れ落ちた。

「ご主人様! 次はどうすればいいですかワン!」

「私だって! まけてらんないワン!」


 以上、収集のつかない二人の犬でした。

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