69試合目 カオスから香るパルファム

 二人を何とかなだめ、四人でご飯を食べることになった。

(しかしなんだ……。この状況は)

 二対二で座ることとなったんだが、俺の横に鈴、俺の目の前は凛という、いつ襲われるかもわからない構図だった。さらに追い打ちをかけるように

「やっほ! ごはんの時間だと思ってきたよ!」

 といつも通り副菜を持って春馬がやってきた。

 しかも俺と凛の間のスペースに春馬が座ったせいで、春馬の誕生日会みたいな配置になってしまった。

「あれ!? 会長さんが何で家に!??」

 春馬が口に米を蓄えながら、驚いた。

「いやお前の家じゃねえし、飯食うか、しゃべるかのどっちかにしろ」

「いやあごめんごめん」

 飲み込んだあと俺の方を見て軽く謝った。

「大体こいつは幼なじみの凛だったんだよ」

「?? 会長さんと双子ってこと??」

「違う。同一人物だ」

「な、なんだって!!!! でなんで、一緒にご飯食べてるの?」

 春馬がそうツッコむのも当然だ。とりあえず経緯を話した。


「はへえ。そんなことが。世の中って狭いね!」

「まったくだ」

「春馬さんとまた会えてうれしいです」

「ん?この人凛ちゃんなんだよね?」

「?? そうだといってるだろう?」

「なんか雰囲気変わったね!!」

 わかる~。あの頃の凛は何処へって感じだよな……。

「しっかり者になったんだね」

「みんなの前ではな?」

「ちょ! とおく……徹さん!?」

 昔の名残といえば呼び方ぐらいだな。

「??」

 何のことかさっぱり春馬は理解していなかった。

「ねえ徹、そんなことは置いといて……。はい、あ~ん♡」 

 鈴が俺の口まで副菜である肉じゃがを持ってきた。

 そしてそれを眺める柚希。

(や、やべえぜ……! これを食べてはいけねえって体が本能で言ってやがる!!!)

「悪いが鈴、俺は自分で食べれるからそういうのはいい」

「そんな。照れずにほら!!!」

 鈴はそういうとむりやり俺の口の中に肉じゃがを突っ込んだ。

GAME OVER

 この時ほど、体に残機があったらなと思ったことはない。

 だって、俺の方を今にも殺しそうな目でにらみつける妹の姿があるのだから。

「私が斜めでよかったですね。兄さん? もし真正面だったら口の中に手榴弾をぶち込んでたとこでした」

 (こ、こえええ!!! 俺なんも悪くないのに!??? 兄さんそれ死んじゃうよ!!)

「大丈夫ですよ? おもちゃのを改造してBB弾が噴出するタイプなので死にはしません」

「いや暗殺の教室の方だった!!! やめてください……」

「いやです♡」

拝啓お母さま

 元気でやってます。しかしながらもう少しで元気じゃなくなりそうです。

P.S 柚希が悪い子に育ちました。ごめんなさい

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