53試合目 完了

 あれから約二時間がたち春馬は30%ほど、柚希は終了、鈴は…という状態になっている。

「しかしまあ鈴、進みが遅すぎんか???」

 俺は宿題を終えた柚希と一緒に昼ごはんの準備をしていた。

「仕方ないだろ!!だって…勉強苦手なんだもん。」

「それをいってもなあ…」

「兄さん兄さん、これ終わるまで鈴さん帰らないのではないでしょうか。」

 柚希はこっそり徹に耳打ちをした。

「まさか!そんな訳…鈴ならあり得る。しかしそうなるとどうしたもんか…あ!いいことを思いついた!!!」

 徹はしめしめと何かを思いついたようにほほえんだ。

「鈴!」

「なんだ???」

「もし宿題をあと三時間で片付けられたら今日うち泊まってっていいぞ。」

「な…んだと…!??よし!!!やってやる!!!!!」

 鈴の手を動かす速度が尋常じゃないほど上がっていく…

「兄さん!!!何を考えているのですか!!!それじゃあ夜いちゃい…じゃなくて本末転倒じゃないですか!!!」

「そそそそうだよ!!!だったら僕も今日は泊まるよ!!!」

「え???紫が???いいぞ???」

「え???いいの??」

「いいよ???紫に害はないしな?てかなんで提案した本人が驚いてるんだ???」

「兄さん!!!」

「なんだ??」

「だとしてもです!!鈴さんは女の子ですよ!???」

「大丈夫だ。あいつは三時間で終わる量じゃないから。」

「ほ、ほんとですか…??」

 柚希は兄に疑いのまなざしを向け、紫はガッツポーズをしていた。

「西屋敷、俺も今日は泊まってくね~」

「おう、じゃあ宿題終わったら荷物もってこい。」 

 春馬はもはや当たり前のことなのでスルー。幼馴染という免罪符だ。

「じゃあ私も泊まるわ!」

「え~さくらも???そんなに五人分も布団あったかな???」

「え!???兄さん!!!あの人女の人ですよ????!」

「あれは女ではない、クリーチャーだ。」

「そ、それならいいですが…。でもお父さんは???」

「父さんなら今日は出張だ、ほらあれだ、ご都合主義ってやつだな。」

「そ、そうですか…」

 そんな話をしながらも二人は料理を続け昼ごはんを完成させていく…

「ははは!鈴さん早いね!!!」

 手の書くスピードが上がっていく鈴をみて春馬は笑った。

「いやいや、いくら早くてもね????ってええ!???」

 鈴の手元を見ると宿題がラスト1になっていた。

「兄さん…。」

「きょ、今日は六人だな…」

「兄さん!?」

「そんなことより私は悲しい!!!」

 さくらが急に叫びだした。女子が一人増えてライバルができるからか???

「私より先に春馬君に名前覚えてもらってる!!!」

 あ、そっちか~

「終わった!!!」

 鈴が宿題を終わらせた。終わった…


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