44試合目 王決定

「ということは、二択か…」

「ちょっと待ちなさいよ???私は当然選択肢に入ってるのよね???」

 さくらが戯言を言っているがそれは無視だな。

「では優勝は!!!」

「無視!????」

「柚希!!!!お前だ!」

「やった!!!!さすが兄弟の愛ですね!!!!」

 柚希がなんか勘違いしてそうだが今言うのはやめておこう。

「出たよ~シスコンだ~。」

「フェアじゃない!!!!」

「徹君…ひどいよ…!」

 おっと???なんで俺が悪者みたいになってるんだ???

 確かにだ。確かに紫が怒るのは理解できる。しかしな、

「紫以外が怒るのは意味が分からん!!!!!」

「私たちだって真面目に選んだわ!!!」

「ダサいよ!!!!!!」

「徹のことを考えて選んだ!!!」

「自分のことだろ!??」

「西屋敷に似合うと…」

「黙れ。」

 三者三様、全員が全然違うパターンで来たのは褒めてやろう。でも悪い方向に向かってるんだよ!はずかしいんだよ!!!!!

 と言いたいがそれを言うと普通にみんなが傷つくと思った俺は口から出そうな本音を無理やり押入れの中に入れるようにしまい込んだ。

「ふっふっふ。どうやらおしゃれマスターは私のもののようですね!」

 この中でおしゃれマスターを名乗るの恥ずかしくない???

「く、くっそお…今度こそ徹の一番になってやる!!!」

 鈴が熱を出しているとこ申し訳ないがこの企画は二度とやらんぞ。

「さあて兄さん?」

「なんだ??」

 柚希の異様な笑みが俺を背中から震わせる。

「約束、覚えてますよね??」

 約束…????

「なんのことだ???」

「何でもお願いできる権利ですよ。」

 なぜだろうか。その言葉を聞いた瞬間、内臓が逃げ出すかの如く俺の中を駆け回る感触に見舞われた。

「いや!!!あれに俺は同意してないぞ!????」

「見苦しいぞ?西屋敷}

「「そーだそーだ!!!」」

 こいつらのスポーツマンシップなに!???運動部にでもはいれよ!!!

「わ、わかったよ…。で、何をお願いするんだ???金か??名誉か??」

「誰もそんなのお願いしませんよ…。一日彼女券を発行してください!!!」

「なんだそれ???」

「一日兄さんの彼女になれる権利です!」

「ま、まじでいってるのか(二つの意味で)!??俺たち肉親同士だぞ!??」

「構いません!!!禁断の恋って感じがして最高です・・・」

 誰か!!!!頭のお医者様はいらっしゃいませんか!!!!

「いやそれ禁断じゃなくて禁止だから。」

「約束を守れないほうが犯罪です。」

 ぐ、ぐう…

「わかったよ…その券を発行するよ…で??いつ使うんだ。」

「明日!!!!」

「はあ!!!!????」



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