29試合目 ハグレ

 一緒に行動することになった五人だったが、今いるのは俺と紫だけ…

どうしてこうなった????

 遡ること一時間前。

俺たちはしっかり五人で行動していた。

 「花火っていつからなの~~~??」

 「花火は今から約三時間後ですね。」

 「じゃあちょっと回ってきてもいい!??」

 「ダメだ。お前はすぐにはぐれるだろ?」

春馬を放し飼いすれば祭りが終わる…それだけは避けなければ…。

 「なら仕方ない、私もついていくわ。」

さくらが冷静な顔つきでそういった。

 「お前はついていきたいだけだろ???」

 「…。行きましょうか!!」

そうして二人はダッシュで行ってしまった。

 「おい!!!ちょっと待て!!!!はあ…。」

 「まあさくらさんがいるから大丈夫でしょう。」

それもそうか。あいつ頭と外面だけはいいからな…

 「そうだな…。じゃあ三人で回るか。」 

 「私は家に少し忘れものをしたので取りに行ってきてもいいですか???」

 「そうなのか?気を付けて行けよ???」

 「はい!」

柚希は一度家に帰っていった。

 そして現在…

 仕方ない。集合時間の連絡だけは全員にしておくか…。 

 「花火の三十分前には集合っと。」

徹はみんなに連絡した。

 「じゃあ紫、どこ行こか????」

 「えっと…そうだなあ…。」

 うそでしょ!????二人きり!???最高!!!やった!!!!愛してる!!!!!!!

 そんな時だった

 「あれ???変態じゃん。サイアク」

誰の声かと思えば白村鈴だった。横にいるのは彼氏だろう。

 「白村!??」 

 「大声出さないで、ってか横の女性だれ!????可愛すぎない!????え????何???こんなきもいのと一緒とか脅されてるの?????」

 それを聞いた紫は剣道の時の殺気モードになった。

 「あ~~~~!!!紫は男だ!!!初見間違えるよな。あっはっは。」

 「そんな訳ないじゃん。嘘とかキモww、まあ少しかわいい女連れてるからって調子乗んないでよね。私の彼氏のほうがあんたより何億倍かっこいいしw」

 (徹くん。こいつ殺していい???)

 (やめとけええええ!???)

 「どうも初めまして。鈴の彼氏の宮内蓮だ。一個上の高3なんだけどよかったら仲良くしてね。」

赤髪に身長は高くとてもイケメンといえるだろう。

 「は、初めまして…」

意外と普通の人だ…

 「ほら行こ蓮。きもいの移るw」

そう言って二人は去っていった。

 「横がなんだか熱い…って紫!?????」

横にはぶちぎれた紫がいた。

 「ヒヒヒヒ!!!!あの人たち絶対ぶっ殺す。」

 「紫!!!怒ってくれてありがとう!!!気にしてないし、うれしいけど殺さないで!??」

まじでやりかねん…

 「徹君が言うなら…」

紫は元に戻った。

あぶねえ。剣道バーサーカーモード久しぶりに見た…

 「でもなんで言い返さなかったの??」

 「あそこで言い返すと同じ土俵に立つことになるし、彼氏もいい人そうだからいいかなって。」

 「そうなんだ…。でもあの彼氏なんだか嫌なにおいがする…。当たらなければいいけど…」

 紫は不安そうにそういった。




 

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