28試合目 祭り
祭り当日~~~
「早く準備しろよ~~~」
西屋敷家では出かけるために準備をしていたんだが、なんだが柚希の準備が遅い…
俺はおかげで熱いなか家の外で待たされているわけだ。
「おまたせ~」
「お前遅すg…」
柚希は、何の花かはわからないがとても気品のある花柄の浴衣を着て、きれいな草履(おそらく新品なのだろう。)を履いて現れた。
「どう???」
柚希は浴衣の袖を持ってくるりと一回転した。
「かわいいんじゃね…」
「やった。」
妹にかわいいというのは照れるものだ。昔は言えたのにな。これが大人になるということか…
「と、とりあえずあとは春馬だ。」
「おまたせ~~~!」
「お、噂をすれb…」
そこに現れたのは白鳥パンツをはいて幕末と書かれた法被を着た変態だった。
「どう???似合う??」
「死ね。」
「え!????」
「着替えてこい。早くだ。」
「でもこれ似合ってるでしょ???」
「ああ、馬鹿にはお似合いだ。」
「えへへ。」
春馬君…褒められてないですよ…
「早く着替えろ。じゃなきゃ連れていかない。」
「え~~~。わかったよ!」
そして数分後に半袖短パンのサンダルを履いた春馬が出てきた。
「最初からそうしろ。」
「ちぇー」
そんなことを言いながらみんなとの集合場所に向かった。
到着すると浴衣を着たさくらと私服の紫がいた。
私服…。私服!????
「なんで紫は浴衣じゃないんだ!????」
「え???浴衣のほうがよかった???」
「いや私服でもかわいいけど!!!!」
「え…」
「あ!悪い!きもかったな…反省だ。」
「いや至福…じゃなくてうれしいよ。ありがとう。」
「oh…
「はいはい!あんなイチャイチャしてるやつほっといて春馬君は私の浴衣姿どう思う????!!!」
「イチャイチャしてない!」
「う~~んと。そうだな~~~~~たくあん!」
「うれしい~~~!春馬君ありがと!♡」
こいつ耳どうなってんだ。それともこれは二人の暗号なのか…???
「兄さん…」
服を柚希につかまれた。
おっと、殺気すごいね。
「帰ったら家族会議…」
「なんで!????」
「馬鹿ね。」
「さくらに馬鹿って言われた。死のうかな…」
「なんでよ!????失礼ね!」
そんなじゃれあいをみんなでしつつ、一緒に祭りを回り始めた。
「そういえば知ってる???ココの祭り、一緒に花火を見た相手と結ばれるって伝承があるんだって!」
へえ。そんな伝承が…ん?
「なんでここの地域じゃない紫が知ってるんだ??」
「べべべべ別に調べたとかじゃなくてもとから知ってたんだ!!!!ほんとだよ???!」
「そ、そうか…物知りなんだな、紫は。」
「そ、そうかなあ???」
がんばれ!紫君!!!!愛に障壁はつきものよ!!!!でも柚希ちゃんも…
ああああああ!どうしたらいいの!わたしは…
「何考えてるの???アイルランドさん??」
春馬はさくらの顔を覗き込んだ。
「いや、なんでもって、え!!!!カッコよ!!!!じゃなくてそんな覗き込まないで!!!いや覗いて!!!でもでも…」
「どうしよう西屋敷、アイスリンク仙台さんがバグった…」
「ほっとけ。」
こうして祭り編の幕は今あげられた…。
しかしまさかこの二人がのちに一人の運命を変えてしまうことをまだ知らない…。
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