GMと接触
またここだ。暖かくて、神秘的なあの空間。
GMが俺のことを呼んだらしいが、誰もいない。
懐かしいな。俺は試作1号を作成したの絶対に忘れないぞ。
それから持ち物を確認し、適当に歩く。端を調べるためだ。
しばらくして·····
ドカーンッ!ドカーンッ!ドカーンッ!ドカーンッ!
あ、150回目の自爆を迎えたネジュです。ドカーンッ!
いや、多分1時間くらい経ってるけど、全然GM来ないんだわ。
で、歩くのも疲れたしスキル強化でもしようと思って。
そこで目をつけたのが【自爆】だ。こいつだけレベル1だからな。
初めの1回はビビりながら「“自爆”」って唱えたけど、リスポーンがこの空間だったから、そこからは唱えまくった。
おかげでレベル上がりまくり。今は6だな。
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スキル【自爆】がレベルアップ
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しゃ!レベル7になった!このままMAXまで上げてやろう。
そして記念すべき200回目の自爆を終えたとき、また通知が。
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称号『自爆狂信者』を獲得
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誰が狂信者じゃい!これは効率を求めた結果だわ!
そんなことを思っていると、声が聞こえた。
「やほ。覚えてる?」
「ああ、俺に『武器装備不可』を付与したやつ」
こいつのせいで俺は拝敬剣を装備できない状態なんだよ!
「あとお前来るの遅くね?名前フェアじゃないの?」
フェアって公平って意味だろ?俺めっちゃ待たされたんですけど。
「めんご」
「めんごじゃねぇよ!」
軽っ!遅れて来ておいて、謝るセリフが『めんご』!?
「そんなことはどうでもいい」
「よかねぇよ!」
そんなことで纏めたぞ、この女。
「PN:ネジュにお願いがある。この世界の光となって」
···は?話がぶっ飛びすぎてついていけない。世界の光とはなんぞや。
「どういうことだ?それは結構壮大なことなんじゃねぇの?」
「ちなみにGMという権限を使ってあなたを調べた。29歳男性、鳥取県在住の本名────。造形師として活躍していて、世界的にも有m」
「おいおいおいおい!プライバシー!ドブに捨てたんか!?」
怖いんですけど。住んでるところもバレちゃってるじゃん。
「ど、どうしてそこまで知ってんだ···?」
「アカウント登録のときに入力してもらったはず。それ見た」
あ、そうだった。じゃあフェアに電話番号とかもバレてるわ。
「俺の身元を調べて、拒否できない環境を作った···そういうことだろ?」
「別に世界の光になることを拒否してもいい」
またまたぁ。Noと答えた瞬間俺の人生終了だろ?分かってるぜ。
「拒否してもいいけど、きっと後悔する」
「ほーん、その心は?」
「私が勝手に作った称号を取り消s」
「喜んで世界の光にならせていただきますぅぅぅ!!」
勝手に付与されていたことは見逃そう。武器を装備できるのなら!
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称号『武器装備不可』が消滅
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うおー!じゃあ早速装備させてもろて。
「拝敬剣持ってる俺かっけええ!」
装備してる!俺、装備しちゃってるよ!
「じゃあ世界の光とはなにか説明する。よく聞いてて」
「耳の穴かっぽじって聞きます!」
フェアが神に見えてきた。いや、勝手に付与したから悪魔か?
多分、俺のテンションおかしいだろうな。剣が装備できることに嬉しすぎて、舞い上がってる。
「こほん、世界の光を簡単に言うと、狂った考えを正すこと」
うん、全く理解できん!
あと、ちびっ子なお前が先生スタイルで説明するな。
え?先生スタイル分からない?眼鏡かけて、本持ってる感じのやつ。
「狂った考えってのは?」
「この世界は500年前から壊れてる。それを元に戻すの」
500年経って戻せなかったものを、俺が戻すとか無理じゃね?
「なにか隠してるのは分かった。多分まだ言えないんだろ?」
「うん。今はまだ全てを教えられない。そしてそれを知るのは私の口からではなく、あなた自身が確認する」
おうおう、占い師みたいなこと言い出したぞこいつ。
「ま、普通に生活しとけばいいんだろ?」
「まだ大丈夫。歯車は完全に狂ってはいない」
だそうだ。フェアが言うことは全て何かを示唆していそうだな。
「PN:ネジュ。世界の光となってくれてありがとう」
そして俺の足元に魔法陣が出現し、また強制転送された。
···可能なら【自爆】をMAXにしたかったな。
「おいィィィィ!!!ここどこじゃフェアァァァ!!」
お前どこに転送してんの!?辺り一面草原なんですけど!
これがホントの草生えるってか?おもんなっ!
「お、落ち着け···こういうときは棒が倒れた方向に進むべきだ」
俺は一時期LUKに振ってたからな。運任せだ!
棒がないため、装備できるようになった拝敬剣を使う。右か。
よし、右にレッツゴー!
このときのネジュはまだ何が起こるか知らない。
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