ウェマー創造
教会に着き、俺は1人個室で次に作成する鍛冶師について考える。
マスプとシェはノーンと教会のお風呂に向かった。
鍛冶師···俺のイメージは、ドワーフのおじさんかロリ女なんだよな。
そして俺が性別を選択できるならもちろん女の子一択だろ!
という安易な考えで作成を開始していく。
「“工房”アーンド“人形作成”」
うーん、身長どうしようか。仮にロリにするなら何cmだ?
120cmで作ってみる。あ、無しで。犯罪の匂いがするわ。
普通に160cm位にしとこう。
マスプとシェはどちらもまな板なので、今回は山にしようと思う。
うむ、素晴らしい。次は顔だな。
髪はポニーテールにして、キリッとした顔にさせよう。
髪と目の色は···うーん、黒に緑?翡翠?とかにしておこう。
鍛冶師だからハンマーを持たせてっと。
服は前掛けとへそ出しキャミソールだな。鍛冶は暑くて大変だからこんな服装になってしまうのも仕方ないよな?よな?
ついでに前掛けには鍛冶で使うであろう火をデザインする。
完成だ。1時間半程で仕上げたが、なかなかいいんじゃねぇの?
てかあいつらお風呂長すぎね?と思った瞬間ドアが開いた。
「気持ちよかったアルー!」
髪を濡らし、肌ツヤツヤのシェが帰ってきた途端そう叫ぶ。
マジで人間にしか見えないぞ。マスプも肌ぷにぷにしてるもんな。
「ネジュさん、1つご相談が」
ノーンの寝巻き姿はシスター服とのギャップがあっていいな。
「なんだ?」
「マスプちゃんとシェちゃんのうなじになにか彫りました?」
うなじ?彫る?意味がわからないし、俺にそんな覚えはないぞ。
俺は首を横に振って彫ってないことを主張する。
「そうですか···これを見てください」
ノーンはそう言うとマスプの髪を上げ、俺にうなじを見せてきた。
「なんだこれ···?人形なのか?」
うなじには7cm程の円にデッサン人形みたいなものが描かれていた。
「ネジュさんは人形使いでしたよね。多分その影響かと」
そこで俺は今作成した鍛冶師のうなじを急いで見た。
···ない。ということはなんらかの理由でこれが出現するということか。
「【命灯】が原因かもしれん。試してみよう“命灯”」
あ、目閉じるの忘れてた。
「んぅ〜」
視界が戻ってくると、伸びをしている女がいた。
よし、うなじを確認しよう。あ、他の3人も目を押さえてるな。
「な、なにしてんだい!?」
なんか喚いてるが無視して確認だ。
···ある。ということは【命灯】を使うと描かれるのか?
ん?そもそも【命灯】ってなんだ?
何気なく使っていたが、命を吹き込むって凄いことじゃないか?
だって、そんなもの神的な存在が使うような御業じゃないか。
「いつまで触ってんだい!?」
あ、すまん。彼女から手を離し部屋にある椅子に座り込む。
【命灯】はあとで考えるとして、今はステータスを考えよう。
あ、シェが彼女とツーショットを撮ってるな。
10分後···
鍛冶師ということで、鍛冶を軸としたスキル構成にしてみた。
━━━━━━━━━━━━━━━
名前:ウェマー
種族:
職業:
HP:120
MP:120
■スキル
【
【
【
【
【
【
【
■称号
『ネジュの人形』
━━━━━━━━━━━━━━━
ウェマーを創造したからだろうか。俺のレベルが1上がった。
また、【能力注入】のレベルも上がり、スキル枠が2つ増加した。
ちなみにマスプには新たに【彫刻】と【測定】を取得した。
そしてシェには【気配察知】と【加速】を追加させた。
オノにはまた今度取得させよう。
さあ、ウェマーの解説だ。
名前はウェポンとアーマーを合わせてみた。センスないのは言うな。
スキルに【鍛冶】というものがなくて焦ったのは秘密だぞ。
【付与】はなにか属性や効果を加えれそうだったから選んだ。
「よろしくな、ウェマー」
「おう!鍛冶のことならあたしに任せな!」
性格と口調が男っぽいな。
「ウェマー、私の剣を打って欲しいネ」
お、これは【自動行動】のレベルが上がったからか?
シェが自発的にウェマーにお願いしてるぞ。
「いいぞ!主!あたしは今から鍛冶場に行ってくる!」
「頑張ってこいよー」
あれ?指示出す俺要らなくね?いや、そんなはずないよな。うん。
「私も退出させてもらいますね」
ウェマーと一緒にノーンも部屋から出ていく。
外が暗いなと思い時計を見る。もうこんな時間か。
「さて、各々自由にしていいぞ」
【自動行動】について知りたいため、あえてこう言う。
俺は爆発型人形の作成をしながらマスプとシェを観察する。
少し経つとマスプは俺にファンドが欲しいとアピールしてきた。
俺はインベントリからファンドを出してマスプに渡す。
ん?あれは新スキル【彫刻】の練習だな。
「“加速”ネ!」
突然何かがぶつかったような音がし、俺とマスプはそちらを見る。
煙が立ち込める中からシェがでてきた。何やってんの!?
「部屋の中でそれ禁止な」
「何故アルか!?」
当たり前だろ。もしやシェさん知能低いな?
あれからシェは仮眠すると言ってベッドに向かった。
「「できたぞー!」」
む?俺が爆発型人形を完成させたことを知らせるはずが、シェのために長剣を打ってきたウェマーの声と被ってしまった。
マスプも彫刻を練習しているが···ぐちゃぐちゃだな。
そしてシェの武器が出来たということは···
楽しみにしてた【遠隔操作】と【コネクト】を試せるぞ!
俺がそれで遊んでいる間にマスプにはこの人形を量産してもらおう。
安心してくれマスプ、まだ【爆発】を持っていないただの人形だから。
俺とウェマーの声で起きたシェに俺がやりたいことを説明する。
「マスターがうちの体使うアルか?いいアル!」
「そうか。なら遠慮なく“遠隔操作シェ”」
【遠隔操作】を使った瞬間シェの目が一点を見つめるようになった。
「からの“コネクト”」
瞬間、俺の視界は暗くなり、次に目を開けると俺が見えた。
おでこを触ってみる。やっぱり角があるな。
「あーウェマー、声はどっちの声だ?」
「シェの声だが口調は主だな!」
やはり根本はシェであって、あくまで俺は操作してるといったところか。
スキルも俺のは使えず、シェのスキルしか使えないもんな。
シェに対して、おーいいるか?と心の中で呼びかける。
が、返事はない。シェは今どういう状態なんだろう。
「ウェマーはしばらく鍛冶に力を入れてくれ。マスプは量産を頼む」
「分かったぞ!」
(コクコク)
ヒャッハー!待ってろよ魔物共!俺が狩り尽くしてやるぜ!
命令を終えると俺は意気揚々と教会から離れていった。
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