最強に至るまで

キャラクリと実験




真っ白で暖かい光に満ちた神秘的な空間だな。


周りは何も無い。これ本当にPEOか?


そう思った瞬間、目の前にパネルが表示された。



『キャラクタークリエイトを始めます』



なるほど、キャラクリ用の空間ということか。


納得した俺はパネルの指示に従い、自身を作成していった。










ここに居たら時間の感覚が狂う。


だいたい1時間と少しが過ぎた頃だと思うけどな。


とりあえず武器選択以外のキャラクリは終わった。


「ステータスオープン」


俺がその言葉を口にすると、パネルが表示された。



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名前:ネジュ

種族:人間ヒューマンLv1

職業:人形使ドールマスターいLv1


HP:100

MP:100

STR:10

VIT:10

AGI:10

DEX:30

INT:10

LUK:30

SP:0

AP:0


■スキル

水魔法みずまほうLv1】

土魔法つちまほうLv1】

人形作成パペットクリエイトLv1】

自動行動オートアクションLv1】

能力注入アビリティインプットLv1】

命灯めいとうLv1】

工房こうぼうLv1】

自爆じばくLv1】

生産神せいさんしんLv-】


■称号


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分かってる。後で説明しようと思うから焦るな。


種族は人間で、ネジュという名前にした。


俺はリアルで造形師なため職業も造形師が良かったが、なかったので似ている人形使いになった。


ステータスは最初にAPが20あったので、DEXとLUKにそれぞれ10ずつ振り、人形作成に力を入れる状態にした。


さあ、問題児がいるスキルの説明だ。


9つ選択できたが、上7つを自分で、下2つを運に任せ選んだ。


1つは【自爆Lv1】という自分の命を犠牲にするスキルだ。


だが2つ目がヤバかった。なにせレベルがないからな。


【生産神Lv-】···生産に関わる行動に超補正。MPを消費しなくて済む。


神だから超補正は分からなくもない。だが後半、お前はダメだ。


「MPを消費しないとかどんなチートだよ」


思わず声に出してしまった。そのくらいヤバいってこと。


まあ、取得してしまったものは仕方ない。切り替えよう。


残るキャラクリは武器選択だが、俺は使う気がない。


なので交渉したいと思う。


「誰か聞いてるか?聞いてるなら返事をくれ」


俺しかいない空間に語りかける。


すると1人の少女がどこからか現れ言った。


「なにか質問でも?」


「俺は生産職として生きていくから武器を使わないつもりなんだ。だから武器選択じゃなくてここで1つ生産させてくれないか?」


これだ。


俺は片手剣や刀などを使うつもりは一切ない。


そのため、他のプレイヤーとのアドバンテージを取られないために今ここで生産する許可が欲しいのだ。


「本当に使わないつもり?」


「ああ」


「分かった。少し待ってて」


少女は消えたかと思うとまたすぐ現れ俺に軽く触れた。


「これでOK。生産できるようにしたからしていいよ」


「助かる」


これでPEO内で初の人形を作れるぞ。


━━━━━━━━━━━━━━━

称号『武器装備不可』を獲得しました

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なにか獲得したが今は作ることに集中だ。








「案外簡単に出来たな」


ゲーム世界だからかリアルと同じではなく、めんどくさい工程などは簡単に出来るようになっていた。


順番としては、まず【工房】と【人形作成】を使う。


【工房】によって作る場所と道具を確保し、【人形作成】で針金やパテが用意されたためとても作りやすかった。


次に【水魔法】と【土魔法】でいい感じの泥を準備した。これは粘土の代わりだな。


そこからは俺の技術で形にしていき、完成させる。


最後に【命灯】で俺の作ったチビゴーレムに命を吹き込む。


これで動くはずなんだが···おかしいな、動かないぞ。


「おーい試作1号、起きてるかー?」


俺が呼びかれるとピクッとチビゴーレムが反応し動きだした。


「···」


また動かなくなった。やはり最初だから知能がないのだろう。


「3歩前進」


「···」


あ、あれ?命令したのに。まだ分からないことが多いな。


「おーい1号、3歩前進しろ」


あ、動いた。ちょっとここで色々試すか。










「まだここを利用する?」


はっ!1号で実験したり遊んでいたら少女が声をかけてきた。


それにしても誰だろうか。恐らくGMだと思うけど。


「いや、大丈夫だ。ありがとう」


返事をし、【工房】などを解除する。


「最後に1つ、ここで死んだらどうなる?」


1つ試したいことがあるのを失念していた。


「噴水前スタートじゃなくて教会スタートになる」


ふむふむ、リスポン地点が変更されるのか。なら試そう。


俺は轟音と共に意識を失った。







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