人生作家
ちひつ
プロローグ
土曜日の夜、俺は決まって郵便受けを覗く。洒落たルーティンなんて訳はなく、面倒が土曜日に回っているだけのことである。
中に入っていたのはピザの宅配チラシと一通の手紙で、封筒には可愛らしい狐が描いてあった。手紙が届くことはごく稀にあるが、請求書や結婚催促状以外はいまだ見たことがない。
送り主の見当が付かないまま手紙を手に取る。普段は使わないハサミで封を切り、便箋を取り出した。中には名前、電話番号。
そして、丸い字でこう書いてあった。
私の人生書いてくれませんか。
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