魔王たちが戦い、世界が壊れたその後で

獅子堂まあと

プロローグ

―― 千年近く続いたと言われる「神魔戦争」が終わったとされるのは、およそ百年前のことだった。


 "神か魔王のようなものが戦った"。


そう表現されてはいるものの、本当は何が起きていたのかは歴史に残っていない。


その千年のうちに世界からエーテルと呼ばれる力が枯渇して、世界が大きく姿を変えた。

全てが終わったとき、世界はかつての法則を失って、新たなことわりのもとにあった。


 平らだった世界は丸くなり、

 三つあった月が一つになり、

 冥界や妖精界は地上に統合され、

 守護神たちが滅ぼされて魔王も死に、

 世界からは多くの種族から消えたという。


生き延びた人々の前に広がっていたのは、地図も|標≪しるべ≫のない世界。

その果て知らぬ世界へと、彼らは探索者たちを送り出す。



再び世界を知るために。

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