(三)
翌朝九時過ぎ、玄関チャイムが鳴った。
自分の部屋で寝ていたが、ちょうどなんとなくまどろんでいたところで、その音が聞こえた。おかげですぐに飛び起きることができた。
この時間に来るのは宅配便だと思うが、最近はアナゾンでも注文していない。だからうちには客がくるはずがない。郵便局か。とりあえず、自分の部屋の窓からは道路が見える。誰が来ているか、わかるはずだ。だから外を見てみた。
表には三トントラックが停まっていた。後部の荷台のドアは半分開かれていた。玄関がチラッと見え、そこには野球帽を被った男性が一人いた。ヤマト運輸や佐川急便のセールスドライバーではなかった。
「はーい」と返事をしながら玄関先に行き、ドア越しにスコープを覗きながら「どちら様ですか」と尋ねた。
(続く)
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