(二)-4
ローテーブルの上に置いておいたハサミを掴んだ。洋裁に使う布地などを着るための大きめの鉄製黒塗りのハサミだ。手に取り指を入れると、何度か開閉して切れ味を確認した。前回使ったときには汚れなどが付いて切れ味が悪くなってしまっていたので、台所で洗い、砥石で研いでおいた。
そのハサミで女のVネックのブラウスの、袖口の外側にハサミの刃を入れて、ゆっくりと刃を閉じていった。繊維を切断する音とともに、ブラウスの生地が二つに分かれていった。それを左右両方で切った。
(続く)
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