バレンタイン
私きっと幻を見たの。
可愛らしくて、少し寂しそうな少女がいたから、チョコレートを買ってあげたの。
どこで買ったか、ううん、買ったのかもよく分からない。手に持っていた贈る相手の居ないチョコレート。
丁寧に包装されていて少し値段もしただろうそれを、私は彼女に贈ろうとした。
けれど彼女は言った。
ごめんなさい、それを受け取ることは出来ない。
私は時間の外にいるから。
だけど大丈夫。貴女ならきっと、時間の内を歩くもう一人の私に出会うことがあるでしょう。
だから今じゃないその時、それは彼に渡してあげて欲しい。
そう言われて私は人の行き交う街の中をぼーっと歩いて、少しだけ見慣れない場所に来ていた。
辺りを見ると気の良さそうな青年がいたので道を聞いてみることにした。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます