(二)-4
爆発があった部屋の前には、人垣ができつつあった。私も何が起きたか知りたくて、そこへ来た。
吹き飛んだ木製のドアは、廊下の向かいの壁にぶつかり、割れて床に落ちていた。
ドアを失った部屋の入り口前で、「現場を荒らすな! 宴会場に戻れ」と白いネクタイを締めた白髪交じりの男性がよく通る大声を出していた。今日の披露宴で仲人を務めていた古淵堅一警部だった。新婦である真紀の現在の上司で、昔ラガーマンだったらしく、年齢を重ねても体ががっしりしており、レンタルした燕尾服の、前で留めているボタンがはち切れそうになっていた。
(続く)
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます