こんな世界に入ってしまったのに、

砂漠の使徒

プロローグ

「これとかどうだ!?」 


「え〜?」


 パソコンのモニターを指さして、大天使ミカエルスマイル……というより悪そうなルシファースマイルを浮かべているまこさん。


「今流行りの体感型ゲーム?」


「面白そうだろ!?」


「でも、なんか、タイトルが……」


 やたら長くて、流行りを狙ってるみたいで、僕は好きになれない。


「ファンの間では、通称『シスエラ』と呼ばれているらしい」


「シスエラ……」


 変な名前だな。


「王道展開とは少しズレた絶妙な面白さ。理不尽な展開と……」


 理不尽な展開があるの!?

 そんなの嫌だ。

 理不尽は現実だけで十分だ!


「やっぱりやめよう!」


「もう遅い」


「え?」


「ジジジ……」


 ノイズが聞こえる。

 そして、僕の視界が黒く染まっていく。

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