さーて、いよいよ本番よ! 覚悟はいい!? ついてこられるのだけついてきなさい!
ネローシェシカの下でこの世界のことと魔法を学びつつ、『そもそも魔法ってどうやって発動してるの?』が気になった私は、先にも言った通り虫眼鏡の魔法を応用して<顕微魔法>を開発。この世界の微生物にその秘密があるのでは?と思って調べ始めた。
幸い、私自身に魔法の適性があったことで、<食べ物が腐りにくくなる魔法>を試しながらその様子を顕微魔法で確認したら、案の定、細菌の働きがすごく抑えられるのが分かった。単純な話よ。有機物を腐らせる細菌の働きが鈍くなるから腐敗が進まず腐りにくくなる。冷蔵庫で保存するのと原理は同じ。
ただ、あくまで細菌の働きを抑えるだけで完全には停止させられないからいずれは腐るけどさ。
で、次に気になったのが、そう、本題の『ウンチを土に変えて捨ててる』ってことだった。魔法の効果が微生物の働きによるものなら、ウンチを土に変えてしまうのも当然、微生物が関係してるに違いない!
この世界に来て一番最初に気になったトイレ事情。『中世ヨーロッパではウンチもおしっこもその辺に適当に捨ててた』ってことを知ってた私は、お腹が減って喉が渇いてフラフラになるよりもずっと前にそれが気になってた。町はずれで見慣れないところにいるのを知って、行き交う人達がいかにもな格好してて、自動車じゃなくて馬車や荷車しか見かけない事実から、『ここって中世ヨーロッパ風の異世界!?』だと察して、それで真っ先に、
『ってことは、人間のいるところはどこもかしこもウンチおしっこまみれぇぇぇっっ!?』
と衝撃を受けたのよね。
『やめてやめてやめてやめて死ぬ死ぬ死ぬ死ぬくぁwせdrftgyふじこlp;!!!』
なんて、パニックにも陥ってたわ。
だけど、通りがかった馬車の馬がウンチして、御者の人が何か呪文みたいのを唱えたと思ったら、ウンチがみるみる土みたいのに変わって、それを棒でつついて砕いて
『ひょっとして、魔法でウンチを土に変えて処理してる!?』
ってピンときた。その時に、ここが魔法のある世界だってのにも気付いたのよね。
馬車が完全に行ってしまってからウンチがあった辺りに行くと、やっぱり殆ど土と変わらないものになってるのが確認できた。カラッカラのパサパサで臭いも全くしない、典型的な<痩せた土>って感じ。舗装されてない土のままの道路だったからすぐに混ざって分からなくなるに違いない。
なるほど。こうやって処理してればその辺に捨てても臭いもしなければ細菌も繁殖しない。
『よかったぁ……少なくともウンチおしっこまみれで死なずに済んだ……』
と、私は胸を撫で下ろしてたのだった。
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