ウサギのミミの大冒険
@aitianna
第1話 ウサギのミミ
広い小麦畑の片隅に空いた小さな穴の中にウサギのミミは住んでいました。
ミミは一匹で暮らしていましたが、近くの深森にはアナグマのチコや小鳥のピッピがいるので寂しくはありませんでした。
だけれどミミは時々考えました。「チコやピッピにはお母さんやお父さんがいるのに、なんで僕にはいないんだろう?」
小麦畑が金色に染まったある日、突然大きな音を立てて金属のモンスターが小麦をすべて刈り取っていきました。実はこのモンスターは「トラクター」というもので、農場主のスティーブンさんが小麦を収穫に来ていたのです。
しかし、ミミはそんなことは知りません。
慌てて深森に逃げ出した。「怪物が来た!怪物が僕の巣穴をめちゃくちゃにしてしまったんだ!」深森の動物たちはミミを可哀そうに思いました。「みんなで協力して、ミミの住む場所を見つけてやろうよ。」と熊のデデが言いました。「まずは僕の巣穴に来てごらん」
しかし、熊のデデの巣穴はミミには大きすぎました。「私の巣はどうかしら?」と次に小鳥のピッピの巣を見に行きました。しかし、ピッピの巣は高い木の上にあり、ミミは気に登れないのでした。ミミに合う巣穴がなかなか見つからず、みんながあきらめかけたとき、「俺の巣穴は地面に掘った穴倉だし、ミミと同じくらいの大きさだよ!」とアナグマのチコが思い出したように叫びました。ミミはうれしくなりました。「やっと自分に合う巣穴が見つかるぞ!」しかし、チコの巣穴はジメジメとしていて元の乾いた小麦畑の巣穴とは比べ物になりませんでいた。「みんな、せっかく探してくれたのにほんとにごめんね。僕はあの小麦畑の巣穴にもう一度戻ることにするよ。」ミミはみんなに謝りました。「いいんだよ、ミミ。みんな君の力になりたいんだ。」とフクロウのオウルが慰めました。続けてこう言いました。「実は、ミミの住んでいたあの巣穴はミミのお父さであるトトが掘ったものなんだよ。ウサギにはその大きな後ろ足と器用な前足で快適な巣穴を作る力があるんだよ。」ミミは初めて聞いた話にびっくりして聞きました。「なんで今まで教えてくれなかったの?」オウルは少し気まずそうに言いました。「トトにはミミが大きくなるまでは秘密にしてくれと言われていたからね。しかし、ミミはもう十分大きくなった。」ミミは不思議に思いました。(トトはなんで秘密にしたんだろう?)しかし、それはオウルではなくトト本人に聞いてみたかったので黙っていました。
その夜、ミミは森で一番大きなクスノキの根元で寝ました。クスノキに守られている気持ちで安心しましたが、元の巣穴とは比べ物になりませんでした。
次の日、ミミはみんなの前で言いました。「僕はお父さんのトトを探しに行くよ。会って巣穴の掘り方を教えてもらうんだ!」みんな心配しましたが、ミミの決心を応援することにしました。フクロウのオウルは言いました。「それならサラサラ川に行ってごらん。トトはサラサラ川に行くと言っていたからね。」
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