(二)-18
ガタイのいい豊永だって、声色は低い方だ。自分でもそう思っていた。しかし、この木野弁護士は自分以上に低い声であった。
「では相談料については社長の方に請求しよう。どうぞかけて」
「できれば二人きりになれる場所で」
「では車の中で話そうか」
木野は事務所を出た。豊永も後に続いた。
木野弁護士が車を出し、豊永は助手席に乗り込んだ。
車は市内を抜けて北上し、山間部へと入っていった。
「波川警備の現金輸送車が襲われた件はご存じですか」
豊永は運転する弁護士に尋ねた。もちろんその実行犯が自分であることは隠した。そうでなければ車はそのまま警察署へ直行する可能性もあった。
(続く)
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