(一)-2

 この日も木野が金庫の中身を確認していた。そしてその重厚な扉を閉めたところで、秘書がドアをノックして入ってきた。

 秘書が波川警備の波川社長から電話が入っていることと、この後の予定として市議会議員である金蔵寺議員と会食予定であることを告げた。

 木野は「わかった」とデスクの上の固定電話の受話器を手に取った。

 秘書が一礼して退出しドアを閉めると、「波川社長? 何の用件だろうか」とつぶやき、保留ボタンを押して話し始めた。


(続く)

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