第22話 ヨット

この交易都市ホルムスでも一週間は七日にゃの。


神様のにゃまえで呼ばれてるらしいわ。

マーフ様の日、マーフって神様は月の神様ね。

ウルスラグナ様の日。

ティル様の日、ティルってのは雨の神様にゃんだって。

アフラマズダ様の日。

ニャーヒード様の日、会った事のある勇ましい口調の女神様。

金星を司っても居るらしいわ。

ズルワーン様の日。

ミトラ様の日、ミトラ神様は太陽神、お日様にゃの。


これで月曜から日曜まで。

日曜日は神殿に行って神様に拝む風習があるから、日曜仕事をお休みの人は多いらしい。

3ケ月航海に行って、一ヶ月まとめてお休みのライールさんにはあまり関係にゃい。


エステルちゃんも見にゃらいだけど、護衛団。

日曜だからって仕事を休む訳にいかにゃい警備のオシゴト。

シフト制でお休みは決まるそうよ。


だけどこのズルワーンの日、ミトラ様の日、週末はステュティラちゃんもエステルちゃんもお休み。


砂の海ニャビールへと、街を出てから向かって行くの。

ファオランさんも一緒。

わたしも着いて行っちゃいましょ。


トトトっとエステルちゃんの足元に着いて行く、と抱き上げてくれるわ。


「あらっ、みゃーも一緒に来る?

 みゃー、まだ船に乗ったコト無かったよね」


船。

そう言えばわたし、日本でも船に乗ったコトにゃいわ。

乗ったコトが有るのは公園のボートくらいね。



ファオランさんは少し俯き加減。

元気がにゃい。


「……結局リリーちゃん見つからなかったね」


そうにゃの。

『逃げ足のグレイ』さんたら、大言壮語してたくせに白猫のリリーちゃんを見つけられにゃかった。


愛猫を置いてファオランさんは出発しようとしている。


黄色く光る砂の海が見えて来る。

街にゃかのみにゃとじゃにゃくて、岩場のようにゃ場所。

少し先はキラキラと光る砂のニャビール


そこに帆船が止まっているの。

大きにゃ客船じゃにゃい。

小型のヨット。

三角形の帆が風を受けて膨らんでいる。

小型と言っても10人位は乗れそうにゃサイズよ。

最近ではクルーザーとか呼ぶのかしら。


小型船のにゃかではライールさんが手を振ってる。


「おーい、エステル~。

 こっちだぞ~」


「分かってるよ。

 あまり大きな声出さないで。

 恥ずかしいでしょ」


この船に乗って移動するつもりにゃのかしら。

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