第31話

「じゃあとりあえず植物とかを片っ端から換金しながら地図作成スキルの制度を上げていくか。」


地図作成スキルを使用すると頭の中に地図のPDFファイルのようなものが浮かび上がった。


「アイコンとかはねえから印刷はできないのかな?」


『印刷する対象物を選択してください。』


地面


印刷機能まで付いているとは高いだけのことはある。

しかも地理の授業で習った。

通りの地図が出てくるのだから精度は非常に高い。


そして賢者の家らしきものを見つけることができたのでそちらに歩を進めていった。


「やっと着いたな。」

「…うん…私……た…ち…の…愛の…巣…。」


後ろにホラーがいました。

知っていました知っていましたとも。


「まあ、いいですけど。私はあなたと結婚する気は無いのでお帰りください。」

「(。´・ω・)?」

「意味わかってます?」

「……牛鬼…族…?」


ミウスさんは首を傾げながら俺の胸を触ってきた。


「…餓鬼……酒吞…金剛……阿久羅……金平……?」


以前感じた餓鬼、そしてカオスとの戦いで感じられた力のことを言っているのは理解した。

他にも知らぬ名前が見えたが自分には解らなかった。

しかし名前を聞くに


『神候補が!忌々しき力で俺に触れるな!』

「…餓鬼…?……私…敵……違う……母……変わ…り……だよ……。」


俺を誘う牛鬼族と何かを話しているらしい。


『地図作成スキルを緊急発動いたします。』


頭の中に見たことのない地図が現れた。

見方が一切解らない。

次元の違う地図と言えばいいのか知識には無い地図だ。

そしてすぐに眠くなった。


地図とは設計図とほぼ同義だ。

未来を見て創るのか過去を見て創るのかで異なるだけ。

つまり地図とは生命の設計図の完成形を紐解いたモノもまた地図と定義できるのではないのか。

死体は生命の地図。

地図を下に細分化され更なる発展を目指し作成されたのは設計図。

幾千もの死体の上に生命は立っている。


「牛鬼族は…紛れもない……人間。」


夢の中で口調が幾分滑らかになったミウスさんらしき人物に話しかけれていた。


「彼ら…地図を…失いし子どもらに…地図を与える者…それが御霊牛。」


まるで親を失った子どものを憂う大人のような人に見える。

ミウスさんのように破天荒な人ではない別人だと確信する。


「御霊牛は…導き導かれる。鬼は皆……御霊によって…生まれる。」


御霊とは何なのだろうか。

とても古めかしい言葉遣いのようにも感じられる彼女の声音は人を惑わせているようにも見えた。


「地図を創りし…私は彼らのために…地図を創った。あなたは私と同じ……地図が創れる。」


地図作成スキルのことを言っているのだろうか。

しかし彼女の言葉からするに意味合いが異なって聞こえる。

彼女は無い地図を作れと言っているように俺には聞こえた。

まるで無いはずの過去から地図を作れとでも言っているかのように。


「過去は一つ。でも未来は無限。おかしい。だから御霊が居る。自然な数が生まれても良いように御霊は居る。私の娘。教える前に。この世界。旅立った。だから。教えてあげて。私あなたを目覚めさせた。」


この時を持ってようやく確信を持てた。

彼女がミウスさんの母親だと。

あまりにも似ている容姿から双子かとも思った。

本人の口から

この身勝手さはやはりミウスさん母親だと思えた。


「…起き…た……?」

「ああ、ミウスさんはなんともないの?」

「うん。」

「なら良いか。」

「でも……ごめん…なさい。お母…さん…の……やって……た…こと…できる……と…思っ……て…失敗…しちゃっ…た……。」

「うんなら俺を追いかけるのも辞めようか。」

「やだ。」


否定語だけははっきり言えるようになったのかすごく発音が良い。

それだけではなく顔を赤くしながら恥じらうように言っているのだからこっちまでドキドキしてしまう。


「……好きな…人……で来たの……初めて……だから……ずっと一緒に……いたい……。」


文面だけで見ればなんてロマンチックかつプラトニックな告白であるだろう。

学生ならば青春の甘酸っぱい恥ずかしさを見せつけられる1ページとなりえるだろう。

しかし、見つめられている彼女が発情していなければの話にはなるが。


「フンスフンス、プシュー(*‘ω‘ *)」


はじめはきちんとドキドキしていたのだろうけども牛の本能に抗えずにそのまま発情したものとみられる。

これでは青春の1ページになるのならプラトニックなお付き合いは無くなるだろう。

刀赤 幹という男は対人恐怖症に近い感覚を持っておりむろんサクランボ少年と言える。

サクランボ少年は何らかの理由で自分に自信が持てずにそのままで居る可能性が高い。


それに加えてロマンチストなことを思っていたりする。


この時、この刀赤がショップスキルを開いていた。

彼自身がこの行動に対して疑問を持っていた。

無意識だった。

腕が勝手に吸い込まれるように対象品に向かっていたと思った。

しかし、刀赤の肉体は知っていた。

数々の好意を疑心暗鬼になり過ぎた好意を無下にする経験がこの状況を打開する作戦を発案した。


そしてショップスキルをもって購入されたそれは一気にこの状況を覆すだけの材料となった。


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スライム道

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