第2話 「当てる」≠「知る」
死んだ俺は,カクヨムらしく転生した.
その世界で,道でトマトを拾ったが,役人に届けないで食べたので死刑が宣告された.異世界だといいかげんな設定が書けるからいいよね.
で,看守から前世と同じことを言われたのだ.
* お前の死刑は,今週の月曜から金曜のいずれかの日の正午に必ず執行される
* お前が,死刑の日がどの曜日になるかは,その日の正午に告げられるまで決して知ることはない
で,この世界の弁護士がついていて,こう言ってきた.
「大丈夫,あなたは死刑にはなりません」
はい,前の章みてください.
なぜか俺には前世の記憶があったし,「どうせ,相手も真ん中くらいを狙えば論理破綻しないだろう」,と思って,水曜日に死刑にされることを予想した.
水曜の朝,看守にこんなふうにカマを掛けてみた
「ねぇねぇ,今日俺死刑だよね? 知ってんだから~」
看守は特に何も言わなかった.
正午.
「今日は,お前の死刑の日だ」
「やったーーーーーーーーーー! 俺,死刑の日がわかったから,死刑にならないですよね! ね!」
ところが,
「何言っている.お前が死刑の日を知っただと? 根拠は何だ?」
「だって,朝言いましたよね! 死刑は今日だって.当てたでしょ!?」
「それは『当てた』だけであって,『論理的にこの日しかない』という根拠になはならないだろう.くじ引きで決めたって,1/5の確率で当たるだろう.そんなものを『知った』などと言えるか.行くぞ」
こうして,またしても死刑になった.
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