第15話 お葬式
――翌日の昼過ぎ
黒い服を着た大輔と昭三は、隼人を迎えに病院にまで向かった。
「今日は、よろしくお願いします」
黒めの服を着た隼人がそう言って軽く頭を下げる。
「うん。
こちらは、昭三さんだよ。
事情を話したら車で送ってくれるって言ってくれたんだ」
大輔が、そう言って昭三のことを紹介した。
「よろしくお願いします」
隼人は、そう言って再び軽く頭を下げる。
「いいんだよ。
気にしなくて」
昭三が小さく笑う。
そして、葬儀場に向かった。
――葬儀場
そこには既に、小さな箱に収められた3人の姿があった。
「お父さんどこ?お母さんどこ?
マコは?」
状況が把握できない隼人は、泣きそうな表情でそう言った。
「ここにいるよ」
大輔がそう言うと隼人がうつむく。
「もう姿がないんだね……」
「ごめんね……
こっちの都合でこんなに小さくしてしまって」
大輔が、そう言うと隼人は首を横に振った。
「お兄さんの責任じゃないよ」
「そうだけど……」
「いいんだ……
自分が黒焦げになった姿……
マコもきっと見てほしくないと思うから」
「そっか……」
大輔が、そう言うと昭三が隼人くんの頭を撫でる。
「とりあえず焼香を済ませようか。
わかるかい?焼香って……」
昭三が、そう尋ねると隼人はうなずく。
「うん。
お婆ちゃんのときにやったことあるよ。
3回おでこに木くずを持って行って燃えている炭にまぶすんだよね?」
「まぁ、3回かどうかは宗派によってかわるがそんなところだね」
昭三は、そう言って3人に向かって手を合わせた。
大輔と隼人も手を合わせ、焼香をすませた。
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