第6話

《俺は車に乗りながら、秋湯温泉のペットショップかがやきのホームページを探してみた。出てきた、出てきたチワワ、ミニチュアダックスフンド、ミニチュアプードル、ヨークシャーテリア、まだまだある。全部子犬4月✕日生まれました〜っていう紹介で一匹に3〜4匹のパピーが写っている。たぶん産まれて何日も経ってない犬たちが母親の横に綺麗に並べられて写真を撮っている。やはり、相当の多頭飼育で親犬はパピーミル?俺は、そんな事を、考えていた…「ねぇ、なんの曲がいい?ピアノ曲が多いんだけど…」「あっ…あぁ、そうだな春だしショパンのノクターン第2番かな…」「フュ〜っと、(口笛を鳴らし)私もそう思ってた、この、ドライブに最高じゃない!わかってる〜!」柔らかなフジコヘミングのノクターンに目を閉じた…「私久しぶりのデートなの」夏海ははしゃいで窓を開けた。少し冷たい風が田舎の土臭い匂いを運んできた。かがやきに着いて、車を駐車スペースに止めていたら、ペットショップの入り口には昨日の老人ではなく、30歳位の娘さん?だろうか、丁寧にお辞儀をしてきた。「おはようございます。」「おはようございます〜。おとうは、犬達の世話で午前中はいないがら。」「はい、子犬は見られますか?」「朝、連れてきてたから。」っと中へ案内され、ちょっと大きめのダンボールにタオルを敷いた中に2匹チワワが、くっついてモゾモゾしていた。「わ〜、ちいさ〜い!こんなの初めて見た!」「3匹と聞いていましたが…」「一匹は調子悪ぐなって犬舎に母親と留守番だ。」「写真撮ってもいいですか?」「いいよ、フラッシュは駄目だよ。私が抱き上げるから。ほら、こっちは、女の子!」ロングスムースのイザベラタンで眉毛みたいでかわいい!「こっちがオスだよ。」薄いクリームの白に近い色だった。こっちの子はずっと眠っている。「おいくらですか?」店の女は、「女の子が、25万円、男の子は18万ね。」「紹介されたペットショップさんより、お安いんですね?」「そうだよ、直接きてくれっと、安いんだよ、競りにかけられっと、繁殖期は安くなってただも同然、親犬の管理費だけで赤字だよ。」「そうなんですか、妹にどっちがいいか聞いてから、また改めて買いに来てもいいですか?」「いいけど、売れちゃったらまた違う子から、選んでもらう事になるけど…いいかい?」「大丈夫です。では、また電話します。」夏海は、もう成犬とも言えるだろう黒の豆柴の腹を撫でて指を甘噛させて遊んでいた。「帰るよ。」「うん、芝ちゃんまたね!」名残惜しそうに、豆柴の頭をポンポンっと人差し指で撫でた。「また、来ます。店長さんによろしくです。」「はいよ、お電話くださいね!」俺は、夏海と車に乗り込んだ、車のエンジンをかけた時夏海に、「夏海、今日時間ある?」「いや〜、あるよ今日お店お休みだし、どっか行く〜?」「付き合ってほしいところがあって…」「もちろん、出発ね〜。」と夏海は喜んだが、近くにかろうじてLAWSONがあってその駐車場で作戦を練ることにした。「そうね〜、飲み物とおやつ買っていこうね〜!」夏海には、悪いが今日は、長期戦になるかもと、飲み物とパンを買い込み車に乗った。「ねぇ、どこに行く?ここからだったら、デートコースは、定義さんかな、行ったことある?油揚げがとっても美味しいし、眺めが最高よ!それから、秋湯大滝もあるよ、そこ行く前におはぎ買おっか…!どした?難しい顔して?」「すまん、デートはデートみたいなもんだけど、探偵みたいな事やらないか?どうしても、親犬達のいる犬舎を見に行きたいんだ。」》

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