第三章 大荒野編
78 冒険者と単眼巨人(サイクロプス)
数人の男女が一つの巨大な影と戦っている。
巨大な影は、身長が一〇メートル近い巨大な外見をしており、手には大きな木片……この形状だともはや棍棒としか言いようがないが、巨大な武器を持っている。
さらに特徴的なのはその顔だ。頭には頭髪のようなものはなく、つるりとした頭部をしている……先端には大きな角のようなものが生えており、異様なことに顔には巨人の顔には目がひとつしかない。そして口は大きく、牙のようなものが生えている。
『
巨大な影は大陸でもそれほど生息数の多くない
「はっ! この程度か
男性は片手に持っている
そこへ一本の矢が
「油断大敵、一人で我々と戦おうなど……」
「お先ぃ!」
その横を駆け抜け、軽装の女性剣士が駆け出す。金色の髪を靡かせ、赤い眼を輝かせる女性は、貴族然とした美しく整った顔をしており、口元に薄く笑みが浮かんでいる。体型は大人の女性らしく、大きな胸と締まった腰、膝上にカットされたスカートとブーツの間に白い健康的な太ももが見えている。
彼女は
そして手には銀色の……魔法の武器であろう
「危険ですってば!」
女性剣士に声を掛け、ローブ姿の女性が魔法を唱え始める。女性剣士の体に淡い光が灯り、ぼんやりと光る……防御系の魔法だろうか。
女性は少し尖った耳と藍色の髪が特徴的な、
「ありがと!」
金髪の女性剣士は
最も簡単に
そこへ魔法の詠唱が始まる。
「炎の王……
この
魔法を放ったローブの魔法使いは、杖……というにはあまりにごつい、持ち手から下が直剣のような刃が付いている所謂
「いやいや、やっと炎の精霊たちもいうことを聞いてくれるようになったなあ」
「使えるまで、結構かかってましたよね〜」
「立ち上がってくると思うか?」
「どうだろうな……」
ローブの魔道士と
ようやく全員が息を大きく吐き、安心したようにお互いの状況を確認する。全員怪我もなく無事だった。
「さ、戦利品を獲得して街へと戻りましょう!」
冒険者が集う
「あれが『
酒を飲んでいた初老の冒険者がぽつりと呟く。周りから見てもこのパーティは不思議な構成だった。
戦士の一人は
それと対照的に金髪をツインテールにした剣士の女性は
そしてその後ろには上半身には鎧をつけていない
長い尻尾の先には青色のリボンが付けられ、少し印象を柔らかく見せているかもしれない。
その横には
明るく
最後に、一人の魔道士風の男が続く。杖……というにはあまりにごつい、持ち手から下が直剣のような刃が付いている所謂
このパーティ『
換金や報告を終えると『
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