03 トロウルって話できるの!?マジかよ
……冒険者とは?
この世界にもいる冒険者は基本的に
(超絶英雄級)オリハルコン>ミスリル>ダイアモンド>金>銀>銅>青銅(駆け出し)
初心者冒険者は青銅からスタートすることが義務付けされているが、このクラス分けは冒険者個人に付与されているものなので、金クラスの冒険者のパーティに青銅クラスの冒険者がいれば金クラスの依頼を受けることができるようだ。が、まあ大体そういう依頼にホイホイついていった青銅冒険者は帰ってこないものらしいが。
今回村にやってきたのは銀クラス冒険者のパーティ。銀クラスの冒険者が受ける仕事はそれなりに難易度が高いらしく、村人は何事かと驚いていたのだ。
「
「でも最近はそこまで魔物も出ていないんだがなあ」
この村には一応代官兼王国戦士のバルトがいて、多少の揉め事や魔物退治はバルトが政務をほっぽり投げて対処する、という形が多かった。(そして帰宅後にリリアがめちゃくちゃキレるというお約束すら起きていた)
どうやらその形では対処が難しい魔物が出たか、何かしらのトラブルが起きたか、とにかく普段のバルトでは対処しきれない事態が起きてしまったのだろう。そんなことを考えつつ自宅に戻るとリビングで冒険者とバルトが話をしているところに出会ったのだった。
「……では、
「ああ、私一人では対処が難しいのと、村の運営もあって動けないため王国に支援を要請しました。申し訳ないのですが、対処をお願いしたいです」
バルトが敬語を使っているのを見るのは正直珍しい。普段の彼は完全に戦士という感じで俺様口調のためこういう喋り方をしていると非常に違和感を感じるのである。
「
「村人の話によると一〇匹はいない、ということでした」
「
話をしている冒険者を観察してみる。
リーダーと思われる男性は、優男と言っても過言ではない風貌で仕立ての良い
男性は栗色の髪に、藍色の目で冒険者にありがちな粗野な風貌ではなく、きちんと整えられた……品の良い外見をしている。
「
一般的なRPGではモンスター扱いの
「私は
そうなのか、
ただ、彼らなりの倫理感でしか話をしてくれないらしく、報酬で動かないものも多いとか。
「それは構いません。私も
バルトは少し苦い顔をしていた。
村人からすれば人間以外の種族が交渉可能です、と言われても見た目で恐ろしければ不安に思うものしかいないだろう。不安を訴える村人に「
バルトは話をしながら頭を抱えていた……頑張れ父ちゃん。
「交渉を進めるとして、どういった条件が必要になるでしょうか?」
「そうですね……相手の状況がどうなのか分からないのですが、双方で商売をするとか、何かあった場合に援助を行うなど利益を感じさせる内容であれば問題ないと思いますよ。まあ一旦は状況の確認が優先でしょうが」
冒険者のリーダーはそういうと、バルトへ頭を下げて自宅を退去した。すれ違いざまにチラッと俺の方を見たが、あまり興味がなさそうにすぐに視線を外しそのまま歩き去っていった。
「ふう……会話で何とかなるのであればそれに越したことはないが……」
バルトは頭を抱えつつ、ワインのボトルを持ち上げた。父ちゃん飲み過ぎは良くないぞ。
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