17
朝、目覚めて、昨日の事を振り返る。涼太先輩とペルセウス座流星群を観測した事。楽しく、今でも嬉しいな。夜に、夢の中?キュリルがサヨナラと言ってきた……。キュリルには、もう会えないのかな?
キュリルのぬいぐるみを見て、抱きしめる。もう動かないのね……、と思った、その時。
キュリルから、気配を感じた。すると、腕の中でフルフルと動き出した。
(えっ?)
その瞬間。
「キュルー!キュルキュル―!」
私の腕からスルリと抜けて、キュリルが空中を飛び回り鳴いている。ブンブンと私の部屋を飛び、凄く嬉しそうだ。
「キュルー!夏稀ちゃん、おはようなの!お久しぶりなの!」
お久しぶりなの!と言うキュリルに、私は不思議がる。
「キュリル、おはよう。お久しぶりって、昨日も会ったじゃないの」
キュリルは、こう答えた。
「キュリルは、凄い魔法を使って凄く疲れたから、妖精の国で休んできたの!妖精の国は、この世界と時間軸が違うの!だから、キュリルは長い間休んできたの!キュリルにとっては夏稀ちゃんと会ったのは昨日じゃないの!だから、お久しぶりなの!」
「そうなんだ」
キュリルの答えが腑に落ちた。キュリルという妖精は、何だか妙に納得する存在だ。
「キュリルも帰ってきた事だし、朝の準備をして部活に行かなきゃね」
「キュルー!」
朝食を食べて、身支度を整えて、私は学校に向かう。
夏休み真っ最中の学校。今日はお盆前最後の部活動。明日から三日間は美緒や一美、それから涼太先輩とも会わないだろう。今日はいっぱい話をして、いっぱい楽しもう。
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