第3話 海外の書き込み

ヒートアップした和久津を落ち着かせ、話をまとめる。つまり、こういうことらしい。


1.俺は異世界の神様の加護を得たらしい


2.俺に加護を与えた神様はレアらしい


3.加護により俺の身体能力は1.5倍以上になっている


4.和久津は童貞


「パイセン!4つ目は余計です!」


「事実だから」


「悲しい事実なんで!無視して下さい!」


「童貞は加護もらえないの?」


「そんなことはない!」


「まぁ、いい。それで、俺の刻印についてなにか書き込まれているのか?」


「いやー、そんなすぐに……」


「なにもなし?」


「いえ、ありますね。書き込み」


「なんだ?」


「これはアメリカのエクスプローラーからの書き込みですね。うーん、なんて読むんだろ?イル?ナチュード?」


「なんだそれ?翻訳出来ないのか?」


「ちょっと待ってくださいねー、あーはい、出ました」


「で、俺の神様どんなやつだ?」


「あの、英訳をそのまま読むだけですからね?僕がパイセンのことをどうこう言っている訳ではないので!」


「なんだよ。まどろっこしい。分かったから早く言え」


「あ、はい。では。言います。性格の悪い、ひねくれた、気難しい、意地の悪い」


「えっ」


「だから、性格の悪い、ひねくれた、気難しい、意地の悪い」


「誰が?」


「根岸パイセン、及び、加護をくれた神様」


「つまり俺は性悪の神様の加護を得たと?」


「ウイ」


「俺、拾った子犬の里親とか探したことあるんだけど」


「あー、それ聞いたことあります。迷子になってた子犬の画像をジモテ○ーに載せて、何故か里親からお金巻き上げた件ですよね?」


「あれは!謝礼!」


「いやいや、現代の錬金術!とか言ってたじゃないですか!」


「少し黙ろうか。和久津君。命惜しくない?」


「恫喝!」


「まぁ、いいけど。ちなみに俺と同じ加護を持った人はいるの?」


「あー、少なくとも日本エクスプローラー協会の会員にはいないですね。協会のサイトには日本のエクスプローラーが授かった加護の一覧があるんですけど、性悪の加護は載ってないです」


「アメリカにはいるのか?」


「どーでしょう。アメリカってネバダダンジョンが攻略されて既に異世界との交流が始まってますからね。もしかしたらあっちの情報かもしれないですよ」


「あっちって、異世界の?」


「ウイ」


「さっきからちょくちょくフランス語になるよな?ハゲの副反応か、それ?」


「そーいうとこですよ!性格の悪さ!だから性悪の神様の刻印が首に刻まれたんですよ!納得!」


納得かあ。

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