まだ離婚していない
佐倉銀
第1話 まだ離婚していない
続・コロナ離婚から、だいぶたったように感じるけれど、まだ一カ月ぐらいしか経ていないことに対して、少しばかり自分でもびっくりする。
あれから、なにかあったか?と訊かれたら、まぁ、あったとしか言いようがないし、どうなの?と訊かれたら、まぁ、どうねぇ…どうだろう?としか言いようがない。
一つだけ言えることとしては、些細なる誤解が一つだけあり、多大なる精神的な荷重が出て来たことぐらいかもしれない。
一つとしては、旦那こと、彼がどうしてこの家にこだわったかについての話、家の購入に関して、旦那の御両親からの支援はもちろんありがたいぐらいのお金ではあったが、それほどでもなかったということ。ほとんどが彼が独身時代に貯めたもの、というか、たまったものを義母さんがあずかって、貯めていたモノであったことが判明したことぐらいだろう。独身時代に働いて、貯めた金をがっつりと今住んでいる家に吸い取られたため、親の金をつぎ込んだ私よりも、執着したらしいということだ。
まぁ、どちらにせよ、金は金であるため、そこは引かないことにする。正直、家を追い出されるなら、あの金は返してもらわないと、とてもではないけれど無理だ。
ポスティングの仕事を6月から始め、正直辛い。
どれぐらい辛いかというと、自由が利く分、普通に働くよりも微々たるもので、私の小遣い程度にしかならないぐらい。その代わり、一日半ぐらい拘束される。6時間働いて、最低労働賃金の時給の約8割ほどぐらいの日給しか手に入らない。今の私はぼつぼつとそろそろ他の仕事へ移る時かなぁとも思っている。しかし、娘が目を離すといらないことをするのはいつも通りなので、どうしていいか、悩ましい。気を抜くと私のパソコンで何かしらしだしたりするし、また、前回のようなこともある。どうやら、家族がいたとしても、寂しいらしいということは判るのだけれど、こればっかりは私もどう答えていいのか判らない。正直、バカだなと、思う。
それは多分、私が少なくとも、大人であり、社会に出たせいもあると思う。
今どきのしっかりと目標を持っていない中学生とはこんなに幼いものなんだと、びっくりする。一度、同じ年ごろの子を持つ友達とも話したのだけれど、本当に子供を見ていると、危ういし、幼いと感じる。と、危機感は足りないし、のんびりとぼ~っとしている。世間はそんなに甘くないというか、世間はそんなにラクじゃないぞと言いたい。
旦那が出て行って二月目に入り、旦那へ生活費の仔細を送ると、個々の仔細をもっと細かく! この経費は高すぎる、トータルで給料を超えている!などと連絡が来たので、旦那の実家へ生活費として渡しているのがなければ、その中におさまっているんですけどねぇ!?と、言う感じで、返したら黙った。黙ったけど、多分納得はしてないだろうなと思う。また来月も、うるさくラインで言って来るだろう。
簡単に言うと、生活費というものは不思議なものだ。
特に食費、四人で暮らしていて月8万かかっていたからと言って、三人に減ったからと言って、月6万になるわけではない。食事を作っていないとこの辺りピンとこないと思う。一人暮らして月2万円で食費がたりるのか?と考えたら、想像できるだろうか? 光熱費にしたってそう。トータル月2万ほど四人でかかっていたとして、三人で月1万5千、一人で月5千というものではない。基本料金があるからだ。食費にも目に見えない基本料金があると思ってほしい。日用品にしてもそう。洗濯を毎日二回していたのが一人減ったからと言って、量は減っても、同じようにほぼ洗剤はかかるわけで、手間も時間も変わらない。食費だってそう。一人減ったからと言って、三食作らないわけではなく、分量が多少減るけれども、ごっそり1人分は変わらない。
そこを理解しないのが旦那である。
節約すれば? という意見もあると思う。そうね~旦那の実家へのお金、節約しようか?なんて思う。そもそも、そう贅沢はしていない。旦那が実家でのうのうと暮らしているのになんで私らが割をくわなきゃならないのかなんて思って、イライラする。
今まで通り財布は握らせてもらっているが、カードは旦那は持っているので、それで旦那は買い物をする。引き落とされる。それでも、お小遣いはいるというし、旦那の実家へ生活費を渡さないわけにはいかない。そこらへんマイナスになっていることに向こうは(旦那&旦那の実家)は気づいていない。
後、時々、義実家の方から、旦那の面倒を観なくていいから楽になったでしょ? あなたも頑張ってねなんて言われる。旦那は元気に暮らしているよと。
いや~~~正直、旦那が楽になっただけで、私は一つとして楽にはなってないんだけどねぇ。子供の面倒もみなきゃいけないし、旦那の郵便物その他もろもろの管理、家の管理、暇だろと言わんばかりの催促だってある。今というものを必死でこなしてはいるけれど、将来が不安で寝れない時もあるし、寝れてない時もある。子供らは勝手だし、私をからかって遊ぶし、時々、このまま、ふらっと実家に帰ってやろうかと思うことさえある。それをラクになったでしょうと、言われるほど腹が立つことはないし、旦那は元気に暮らしてるって言われて、嬉しいわけはない。自分ばかり割を食ったことを痛感させられるばかりだ。ほんと、実家どころか、消えてしまいたくなる時がある。それもこれも、老後はパートナーがいて、今だけ子育てで苦しいんだと思っていたから、耐えられることであって、最終的になにもない未来に向かって、どうすれば頑張れるのかが判らない。
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