Butterfly's route * Gawain

 ……あれからしばらく経ったが、華菜のやつ、まだ帰って来ないな。コンビニは近くにあるんだが、寄り道でもしてるのか?


「ん?」

 ――突然、充電中のスマホが鳴った。明るくなった画面には、「華菜」の文字が。

「もしもし、華菜? おまえ、どこまで行って――」

「お、おに、い、ちゃん……?」

「かっ、華菜!?」

 なっ!? 華菜のやつ、瀕死状態じゃねぇか!?

「おい、どうした!! 大丈夫か!?」

「う、あ……。た、たすけ――」


 ――そのとき、華菜の言葉を遮るように、高い女の声が入り込んだ。忘れもしない、恐怖の声色。

「悠君? 久しぶりだね」

「――っ!? さ、坂下……!?」

「そうだよー! くふふ、元気そうで良かった!」

 こいつは坂下。俺が高校生の頃、執拗にストーカーして来たクラスメイト。警察に被害報告を出して以来、別の街に引っ越したと思ったのに……!!

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