End Arthur * Culprit

「……では、今日の講義はここまで」

 教授の声と共に、ガヤガヤと立ち上がる周り。俺もその動きに合わせて、チラッと横を向く。……笹木は、結局帰って来なかった。

「あいつ、体調でも悪くなったのか?」

 寝不足だって言ってたし、元々調子が良くなかったのかもしれない。とりあえず講義は終わったし、部室まで行ってみるか。ぶっ倒れてたりしたら大変だしな。


 サークル棟は、大学のメインスペースから少し離れたところにある。中に入ると、音楽系のサークルが楽しそうに話している声が聞こえてきた。俺たちの部室は、二階の一番奥だ。

「失礼しまー……」

 二階に上がって、ガラガラッと部室の引き戸を開けた瞬間……、俺は思わず息が止まりそうになった。

「さ、笹木……?」

 ……目の前には、仰向けに倒れた笹木の体。その周りには、赤い鮮血。

 これは、誰が見ても分かる。……笹木の死体だ。

「え……、あ……」

 俺は変わり果てた笹木の姿に、わけも分からずその場にへたり込む。その後仲間がやって来るまで、ただただ放心してその死体を眺めていた。

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