第7話 決意
……この時期、サターンウィルス感染症は、再び増加傾向にあったが、前回の『感染の波』が収まりつつあったので、世界的に気の
しかも、今回拡がっているサターンは、別の『株』に変異していた。 以前の株とは比べものにならない程の感染力を有していたのだ。 ……それは瞬く間に抵抗力の低い高齢者や基礎疾患をお持ちの患者さん達に感染してしまった。 そして、各地で『クラスター』と呼ばれる、感染の危険が高い集団が発生した。
……その集団が、ついに町野グループの施設にも発生したんだ!
「検査は何名ですか?」
「1つは100名……もう1つは200名程度だ」
300!? しかも1つの施設じゃないの?
……200名でもギリギリなのに、明日の集団PCRと合わせて200+300で500名も増える!?
取り敢えず、明日、明後日は、外部依頼施設の検査のみで手一杯だ。 それでさえ、確実に結果が出せるか、やってみなくては判らない状態だ。
……何せ、この検査数は未知の領域なんだ。
「……あと3日待って頂けますか? それなら何とか……」
「いや、それは困る! 何とか明日中に結果が欲しい」
明 日 中 !?
……以前も言ったが、私は基本、与えられた仕事に対して文句を言う事は無い。 前回の、必要書類の準備で無茶振りされた時も、何とかやりきった。(本章『第6話 馬鹿ぁ!』をご参照下さい)
しかし、今度ばかりは、他の施設に迷惑がかかる! ……さっきの
一歩も引かない覚悟で言った!
「外部施設の検査を一時ストップして
「……じゃあ、仕方ない」
……良かった……意外と簡単に諦めてくれた!
「こっちを優先して下さい。 施設には、謝罪の連絡をしておきます」
……! ……そ……そんな……。
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