第8話 親指
「前にも言いましたが、お恥ずかしい話ですが、僕は今迄、女性と付き合った事がありません。 中々出逢いが無かったから……。 でも、小説やドラマを
……ウエイターさんが、飲料のおかわりを持って来てくれた。 高級レストランなのに、二人共、ウーロン茶だ。
真也さんは……
「僕、いつも
私は、戸惑いながらも……少し考えて
「事故……とかに巻き込まれないように……ですか?」
「それもありますが」
……真也さんが、照れた表情で……
「『赤信号にならない為』……です」と言った。
……!?
「以前、何かの本で読んだ事があるんです。『女性は、デートの時に、相手との未来を想定している。 ドライブデートで赤信号ばかりだと、困難な未来を暗示しているようで、別れを切り出されるかも知れない』……って……」
その言葉で、私は全ての疑問が解消された。
真也さんは、本当に女性と付き合った事が無いし、一番確信したのは……
私と『別れたくない』と想ってくれている……って事だ。
デートで失敗して、私が別れを切り出さないように……って、一生懸命に頑張ってくれてたんだ!
私は、
真也さんは慌てて立ち上がり、私の背中に手を当てて、
……ウエイターさんも、驚いて駆け付けてくれた。
私は
ウエイターさんは、笑顔で真也さんの肩を軽く叩き、ドヤ顔で親指を立てた。
なんであんたがドヤ顔やねん!?
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