未来の記憶

勝利だギューちゃん

第1話

未来。


どうなるかは、わからない。

全ては自分の行いにより変わる。


でも、僕には予知能力がある。

遠い先までは、わからない。


でも、近い未来なら予想が出来る。

なので、危険は回避してきたし、苦い思い出もない。


タイムマシン


空想上の乗り物。

物理的には可能だが、現実には無理。


だが、僕の持つ予知能力は、ある意味ではタイムマシンかもしれない。

これから起こる、未来が読める。


「やあ、久しぶり」

前から歩いてきた女の子に声をかけられた。


「ああ。久しぶり」

「どう?未来は楽しんでいる」

「いや、あまり・・・」

「どうして?」

「推理物の犯人を先に知らされて、面白いか?」

「面白くない」

「だろ?」


そう・・・

未来はわからないから、面白い。

それを、事前に知ってしまえば、感動は失せる。


「じゃあ、君の予知能力は消すね」

「頼む」

「ご協力ありがとう」

「報酬は?」

「私のキス」

「いらん」


彼女は未来人。

あらゆる能力を持っていて、それを過去の人間にサンプルとして、与えている。


「で、どうするんだ?そのサンプル」

「それは秘密」

「あっ、そう・・・」

まあ、どうでもいいが・・・


彼女との記憶も消える。

寂しくもあるが、それでいい。


「じゃあ、またね」

「次があるのか?」

「君の行動次第だよ。ありがとう」

彼女は僕の頬にキスをして、去って行った。


いらないといったのに・・・

どうせ、消えるんだから・・・


でも、それまでは楽しもう。

想い出を。


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

未来の記憶 勝利だギューちゃん @tetsumusuhaarisu

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る