10日目

もう最近ずっと進路の話ばっかりだ。

もっと早く死んでおけば良かったのかもしれない。


結局どこに進学したいの?勉強する気あんの?

何をする気も無い。なんていうのは言い訳だと言われるだろうけど、本当。もはや何にも興味が湧かない。なんでもいい。もうともかく、無理をすることに疲れた。ダラダラ生きていたってつまらないけれど、色々あって忙しくたって疲れるだけなんだ。


ダンスは趣味なのにやめないのか休止しないのかと圧をかけられた。わたしは彼女に会えるか会えないかで何もかもが大きく変わる。だから、正直、彼女に会えないならもうサッサと死のうと思う。わたしの人生、彼女がいなくちゃ灰色。どこまでだってモノクロ。わたしを確かに愛しているのは彼女だけなんだ。だから、でも、やめたくないと対抗する体力も無いし、我ながら本当に諦めが早いから、それも受け入れてしまう。


まくしたてられること、急かされること、焦らされること、追いつめられること、問い詰められること、その全てが、しんどい。しんどい。もうやめてなんて言えないけど。



午後。社会教師から暑中見舞いが来た。わたしは昨日のことがあったのであまりあつくなれないけど。宛名のところには無茶苦茶デカい字で「高菜めい様」と書かれていて、裏には社会教師のものと思われるバイクと空の写真。わたしが貸した本の口調を真似て書かれた文章。うるさくて見辛いくらいに大きな字。うるさい人だ。本当に。まぁいいけど。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る