第563話 女神降臨ライブ!

『みなさん、ミオンの二人のんびりショウタイムへようこそ! 実況のミオンです。よろしくお願いします!』


【シェケナ】「神官服カワイイヤッター!ヽ(´▽`)/」

【デイトロン】「<新衣装代!:5,000円>」

【ドンデン】「セット新しくなった?」

【メイケ】「え? お屋敷の庭ですか?」

 etcetc...


 新衣装でもなんでもなく、ミオンがアトたちと一緒に作ったエクリューのローブに、俺が作ったオパールのブローチがついたやつ。


「今日はまず、今度発売されるアルバムの試聴についてお知らせします」


 そう切り出してから、試聴の中身について話し始めるミオン。


「今日この後から始まりますが、曲は当日発表になります。また、このライブがある水曜と土曜に試聴できる曲目が変わります」


 カンペとかをいっさい見ずにスラスラと話してて、ホントすごいなと。リアルだとやっぱり目の前に人がいるから緊張しちゃうのかな?

 盛り上がってる視聴者さんたちだけど、ちらほらと違和感に気づいてそうなコメントも流れていて……


「私からのお知らせは以上です。それでは……、ショウ君、ルピちゃん、島のみんな〜」


 その呼びかけに、俺とルピ、スウィーがミオンの隣へと。


【フェムラ】「えええええ???」

【マットル】「まさかの!?」

【チョコル】「女神降臨キター!」

【シューメイ】「うおおおおおお!!!」

 etcetc...


 コメント欄がすごい勢いで流れてて、俺はもちろん、ミオンも全然読めてないっぽい。

 それはもう予想してたことなんだけど、


【デイトロン】「<祝! 女神降臨!:50,000円>」

【イザヨイ】「<ミオンちゃん来島記念:3,000円>」

【マスターシェフ】「<現地レポート代!:5,000円>」

【ブルーシャ】「<女神降臨キター!(*´∇`*):1,000円>」

【ワショー】「<現地レポート!:1,500円>」

【マッソー】「<おめでと〜♪:1,000円>」

【ゴッソル】「<女神様は島民?:1,000円>」

【モルト】「<めでたい!:2,000円>」

【シミズル】「<ショウ君GJ!:3,000円>」

【ニクス】「<翡翠の女神様加入おめ♪:1,000円>」

【ベアメン】「<おめでとう〜♪:1,000円>」

【ジャズン】「<降臨おめ:1,500円>」

【シェケナ】「<おめでと〜♪ヽ(´▽`)/:3,000円>」

【ジョンアフケ】「<おめでと〜!:1,000円>」

【シューメイ】「<女神降臨おめ!:2,000円>」

【キンコン】「<現地レポート感謝!:5,000円>」

【カティン】「<さす女神様!:1,000円>」

【ズンダモッチ】「<女神降臨おめ!:1,000円>」

【メデロィ】「<おめおめ〜(*゚▽゚)ノ:2,000円>」

【ブロクル】「<おめっと〜!:3,000円>」

【マリン】「<お〜め〜♪ で〜と〜♪:3,000円>」

【ルーランラン】「<降臨おめでとう!:1,000円>」

 ……

 ……

 ……

 ……

 ……


 デイトロンさんの投げ銭がきっかけで、すごい勢いで投げ銭が続いていくんだけど……


<ミオンさんー、お礼を言いましょー>


「ぁ、ありがとうございます!」


 ミオンのその言葉にさらに投げ銭が増えていく。

 うん、そうなると思った。っていうか、ヤタ先生、わざとそう言ったような気がするし。

 こういうときは、さくっと次の話題に行った方がいいんだよな。


「じゃ、ミオン。今日の予定をお願い」


「ぁ、はぃ」


 いつもは俺が話してるけど、今日はミオンから。

 普段とちょっと違う感じをできるだけ出していくってことで。


「今日は私、ミオンが現地からお伝えします。まずはショウ君からお知らせです」


「えっと、新しく翡翠の女神の木像を作りました」


「魔女ベルさんで有名な『白銀の館』からの依頼ですね」


「うん。南の島にある教会に設置される予定です」


 うちの島でも俺が作った翡翠の女神の木像でセーフゾーンができたし、あっちの教会に置いてもらって、セーフゾーンができれば嬉しい。

 あのあたりは、ガジュたちキジムナーの集落とも近いし、少しでもモンスターのスポーンが減ればなと。カマキリのやつは凶悪だったし。


【ピューレ】「おお! 実物見に行ける!」

【ラカン】「ありがてえ!」

【リンレイ】「報酬はなんだったの?」

【アマツノユ】「あらたな名所ができますね。(*´∇`*)」

 etcetc...


「報酬ってわけじゃないけど、ミオンがここにいることかな?」


「はい!」


 その答えで納得してくれたっぽい?

 なんか一部悶えてる人がいるけどスルーしよう……


「じゃ、さっそく」


 ってことで、二人で花壇の反対側へと。

 そこにはすでに、シャルたち、パーンたち、トゥルーたち、クロたちと、島の妖精たちが座って待っている。


【シェケナ】「妖精さん勢揃い!(*^◯^*)」

【サテナー】「うわあああ、かわいいいい〜!ヽ(´▽`)/」

【コンデーン】「白竜姫様は?」

【ルコール】「体育座りかわよ〜」

 etcetc...


 みんなが見つめる先には、亜魔布に覆われた翡翠の女神の木像。

 除幕式はミオン、そして、


「アルテナちゃ〜ん」


「は〜い」


 呼ばれて走ってきた白竜姫様が、そのままミオンに飛びついた。

 そう言えば、白竜姫様の名前が出たのって初めてかも? ミオンしか名前で呼ばないからなあ。

 ミオンと白竜姫様が、それぞれ布の端っこを持って準備完了。


「じゃ、お願いします」


「「せ〜の」」


 現れた女神像に、妖精たちから歓声が上がる。

 一番後ろで見ていたエルさんも拍手してくれていて、ちょっと恥ずかしい。


【エレック】「やっぱり、新しい方が出来がいい?」

【デイトロン】「<翡翠の女神像作成費:10,000円>」

【チョコル】「服の造形とか良くなってますね」

【ワサンコ】「こっちを南の島へ送るの?」

 etcetc...


「新しく作ったこちらを送る予定ですよね?」


「うん。やっぱり、最初に作ったっていうのもあるし」


 すでにうちの教会にあるやつは、シャルたちが毎日綺麗にしてくれてるのもあるし、わざわざ替える必要もないかなと。

 いろいろと質問が流れてきてるけど、それは質問コーナーの時間にってことで、まずはみんなでご飯にしよう。


「テーブルの準備するから、料理の方お願い」


「はい!」


 今日の料理はミオンが全部やってくれたので、俺としても楽しみなんだよな。

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