第298話 祭りの前の静けさ?
『みなさん、ミオンの二人のんびりショウタイムへようこそ!
実況のミオンです。よろしくお願いします!』
【マグナ】「生きがい」
【ガーレソ】「はじまった!」
【シェケナ】「今日ものんびり〜♪」
【ムシンコ】「探検服ってことは?」
etcetc...
コメント欄に挨拶がずらずらーっと流れていくのを眺めつつ、あぐらの中に収まっているルピをモフる。
今日のスタートは古代遺跡の南西出口にある草むら。
スウィーは左肩にはおらず、フェアリーズとコプティの花のあたりをふらふらしてる。
『それでは、島に繋ぎますね。ショウ君、ルピちゃん、スウィーちゃん〜』
「ようこそミオン」
「ワフ〜」
『あれ? スウィーちゃんはどこですか?』
「あっちでふらふらしてる。スウィー?」
そう呼びかけると、はっと気づいた風で、ぴゅーんと飛んできて定位置に座る。
口の周りがテカってるのは、フェアリーの蜜を食べてたからかな?
【フェル】「女王様、口なんかついてるw」
【サテナー】「また何か甘味食べてたのね〜♪」
【グランド】「甘やかしてるなあw」
【ミイ】「フェアリーって太らないの?」
etcetc...
『はい。今日は南西の草むらからですね』
「うん。今日は南側をぐるっと回って、だいたい火曜日にやってるルーチンを紹介する感じかな」
『なるほどです』
「いつもは2時間ぐらいかけてるけど、今日はさくっと1時間で回る予定。なんで、さっそく出発するよ」
『はい!』
………
……
…
「「「〜〜〜♪」」」
「さんきゅ」
フェアリーズがレッペリン(コショウ)の実を採集し、革の小袋に詰めたのを渡してくれる。
俺はそれを受け取って、一回り大きな小袋に移し替えて、空になった小袋を返すと、また採集に向かってくれる。
なお、スウィーはそれを左肩に座ったまま、うむうむしているだけ。
【クサコロ】「すげえ……」
【カリン】「めっちゃ優秀!」
【ルコール】「フェアリーズかわよ〜」
【ストライ】「1人で量取るの大変だよなと思ってたけど、なるほどだよ」
etcetc...
『フェアリーさんたちが手伝ってくれて、すごく助かってますよね』
「うん、本当に。だから、ご褒美の甘味はいくらでもって感じだよ。とろとろ干しパプはすぐ作れるし」
それに加えて、ルピたちが警護してくれてるのもありがたい。
スウィーたちとはアライアンスを組んだままにしてあるから、最悪は免れるようになったけど、それでも怖い思いとかはさせたくないし。
「バウ!」
「ワフ!」
ルピたちの声にフェアリーズが一斉に俺のところへ戻ってきて、背中へと隠れる。
気配感知に引っかかったのは……ランジボアか。
レダとロイが退路を絶って、俺の方へと誘導してくれてるな。
ちょうどいいし、
「加護を!」
「フゴォォォ!」
ガキッ!
大物のせいか、危うく吹き飛ばされそうになるのを、なんとか持ちこたえる。
さらにレダとロイが後ろ足に飛び掛かって押さえ込み、それを嫌がったランジボアがもがくところに、
「バウッ!」
ルピのクラッシュクロー一閃!
あらぬ方向に首が曲がってしまったランジボアが、どさっと崩れ落ちた。
「ふう」
『すごいです!』
【ティーエス】「マジ! すっご!」
【チャリンボウ】「ルピちゃん、強すぎぃぃ!」
【ナーパーム】「やべーなおい……」
【ガフガフ】「完璧なパーティプレイ!」
etcetc...
「どもども」
まずはランジボアをさくっと解体し、ルピたちにご褒美をあげる。
ちょっと休憩ってことで、スウィーたちフェアリーズにはドライグレイプル。
後でまた時間取っておやつの予定なので。
『ルピちゃんの最後のはアーツでしたよね?』
「そうそう。クラッシュクローっていうんだけど、部位破壊っぽい感じかな。なんで、首の骨をゴキっと……」
その説明にコメント欄が沸き立つ。
一応、補足しておくと、レダとロイがそういう状況を作って、確実に首を狙える状況になるから。
ルピがマナガルムっていう幻獣で強いのもあるんだろうけど、どっちかというとレダやロイっていう配下を巧みに指揮できることの方が強いと思うんだよな。
【プレマル】「さすが狼の王!」
【ナシゴレン】「配下が増えたら最強クラスなのでは?」
【ラカン】「円盾がやばそうなんだけど!?」
【マシェリ】「可愛さはそのままでお願いします♪」
etcetc...
『円盾は新しくしたんですよね』
「そうそう、これオール
鑑定結果を表示すると、さらにコメント欄が加速。
個人的には最高品質にならなかったのが、ちょっと納得いかない感じだけど……盾スキルがまだ5で微妙だからかなあ。
「ワフ」
「「バウ」」
「うん。じゃ、休憩終わりにして進もうか」
………
……
…
海岸を横切るときは、フライングディスクで遊びながら。
いつもは塩を作ってる間の待ち時間にやってることだけど、今日は無しなので。
南東の密林でもルピ、レダ、ロイのフォーメーションで安全を確保しつつ、フェアリーズはその内側でパプの実を採集してくれる。
たまに木の上にサウスネークが潜んでることがあるんだけど、気配感知で先制できるので、ナイフ投げのアーツで対処してる。
「サウスネークの肉は、フラワートラウトのかご罠に入れて使ったりしてますね」
『でも、最初は食べたんですよね?』
「うん、一回だけね。淡白な味だったからそれっきりだけど……」
今なら塩コショウにソース類もあるし……行けるか?
【サブロック】「蛇の肉……」
【リーパ】「サバイバルでは割と基本やで」
【ピューレ】「寄生虫とかいそうで怖い!」
【リンレイ】「蛇料理は無しでお願いします!」
etcetc...
なんか不評っぽいのでやめとくか。
酒、醤油、みりんがあれば、照り焼きか蒲焼きとかアリだと思うんだけどなあ。
ゴブリン洞窟前から河原へと降りて、かご罠を確認。
昼はスルーして来たので……よし、6匹ゲット!
「今日は大きいのが多くて良かった」
『さっそく料理しますか?』
「いや、これはまた後で燻製にかな。今日はデザートってかおやつで」
コメント欄でめっちゃ期待されてるけど、今日の新作はそんなにって感じなんだよな。
まあ、美味しいのは確かだけど。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます