第73話 LUKというパラメータ

「ごちそうさまでした」


「ワフン」


 俺もルピも綺麗にフラワートラウトの串焼きを2匹ずつ平らげて大満足。

 で、今日はもう少し試しておきたいことがあるんだよな。


『残りの2匹はどうするんですか?』


「燻製にしようかなって」


【ドンデン】「飯テロ!からの飯テロ!」

【デンガナー】「そんなん美味いに決まってるやん!」

【ロコール】「俺も釣りスキル取って渓流釣りに行くかな……」

 etcetc...


 コメントがまた飯テロにわいてるのを横目に、残りの2匹の下拵えを。


「まあまあ、燻製はすぐできるわけじゃないんで」


 内臓わたと血合いを取ったフラワートラウトを、塩水にキトプクサとグリーンベリーの果汁を混ぜたものにつけてしばらく放置。


『それは一体?』


「燻製にする前に、ソミュール液ってのに漬けないとなんで、それをありもので作ってみた感じ。砂糖の代わりにグリーンベリーだけどね」


 砂糖代わりの果糖……無理があるかもだけど、まあまあ塩水がしっかりしてれば大丈夫だと思う。


【アモクン】「本格的すぎ!」

【ヒラリ】「料理のこと詳しすぎでしょw」

【マスターシェフ】「キトプクサはニンニクの代わりかな」

 etcetc...


 やっぱ詳しい人もいるみたいだなあ。

 キトプクサって、どうもギョウジャニンニクっぽいから、いけると思ったんだよな。


「多分、しばらく待つけどどうしよ?」


『あ、じゃあ、少し質問募集しますか?』


「うん。答えられる範囲でね」


 リアルに影響のない範囲でお願いします。っていうか、ヤタ先生いてくれてるよね?

 今まで以上の速度でコメントが流れていくのを見て、俺の方で拾うのはもう無理だな、これ。


<ステータスの話が多いようなのでー、問題なければ見せてあげてくださいー>


 あ、良かった。ヤタ先生いた。


『じゃ、スキルレベルやステータスの話が多かったので、今のステータスを見せてもらえますか?』


「おっけ」


――――――――――――――――――――

Name:ショウ Lv.9

HP:304 MP:273


STR:34 DEX:33 AGI:22

INT:24 VIT:27 LUK:10


元素魔法:2 短剣:5 解体:6

鑑定:5 投擲:5 木工:5

石工:5 気配感知:5 気配遮断:5

応急手当:1 調薬:3 採集:6

料理:4 調教:4 罠作成:5

罠設置・解除:6 罠発見:3

陶工:5 素材加工:6 裁縫:3

弓:1 鍛治:5 採掘:3 細工:1

精霊魔法:2 斧:2 伐採:3

水泳:1 潜水:1


残りSP:10 残りBP:0

――――――――――――――――――――


【チャリンボウ】「スキル多すぎぃ!」

【リーパ】「ステ高いやん!」

【メガマワー】「そんだけスキルあってまだSP10も余ってるのか……」

【リンレイ】「リアルでこれくらいスキルありそうなのよね」

【ガーレソ】「LUKガン無視わかる」

 etcetc…


「あ、レベルアップでもらうBPは今まで全部ステータスに振ってるんで」


 その答えにまた湧き上がるコメント。


『そういえば、LUKに全然ポイント振ってないんですね。理由あるんですか?』


「うーん、あんまり実感がわかないかなって。LUKに振って実感あった人っている?」


【リーパ】「わいもラックは無視派や」

【シェケナ】「微妙にドロップがいいかも?」

【ミンセル】「もともと引きが強いやつなら効き目はありそう」

 etcetc...


 そうなんだよな。セス美姫がLUK上げてたりするとシャレにならない気がする。っていうか、あいつそれを理解してるから振ってそうなんだよなあ。


『少しある人が多いみたいですね』


「うーん、俺はリアルのLUK低いんで、ここでLUK振っても0.01%が0.02%って程度だと思ってるし」


【ヨンロー】「ミオンちゃん、引いといてそれはない」

【アサナサン】「リアル出会いのない俺に謝れw」

【サクレ】「俺、明日、パン咥えて学校行くんだ……」

【ブルーシャ】「ショウ君を引いた、ミオンちゃんのLUKが高い説」

 etcetc...


 なんか好き勝手言われてるっぽいのでスルーしよう。


<いいですねー。こういうノリのチャンネルで行きましょー>


 ……そろそろ漬かったかな。

 鑑定すると【漬け込まれたフラワートラウト】って出るし、大丈夫だと思う。


「これから燻すんで、その間に次の質問よろしく」


『はい』


 串を通してから、石窯の天井に近いところに設置。あとはこれで下から煙だけを当て続ければ大丈夫のはず。

 リアルだと桜のチップとかを燃やしたりなんだけど、今ここで一番マシそうなのはパプの木の枝かな。


「<着火>っと」


 火を起こすのが楽なのはいいよなあ。

 いい感じに煙が出てきたし、これで放置すれば大丈夫のはず。


「ん、おっけ。次の質問って決まった?」


『はい。最近作ったものを教えて欲しいそうです』


「作ったものか。えーっと……」


 採掘用のツルハシ、伐採用の手斧、大工道具に大中小のノミ、ノコギリ、小刀……

 それ以外にも裁縫道具だったり、裁縫で作ったポーチにバックパック。陶工で鍋やら小瓶、甕も結構作ったし……


「なんかわからなくなってきたし、作ったもの並べてみようか?」


『はい。お願いします』


 というわけで、軽い説明を挟みつつ、一つ一つ並べていく。

 俺、こんなたくさん作ったっけ?


【フェル】「作りすぎ!w」

【イザヨイ】「でも、必要なもの作ってるだけなんですよね」

【リーパ】「裁縫までできるとかおかんやん」

【デイトロン】「<鑑賞料:10,000円>」

【マルサン】「ナイス鑑賞料!」

 etcetc...


っと、盛り上がってる間に石窯をチェック。

取り出した2匹のフラワートラウトは食欲をそそる飴色に。


【料理スキルのレベルが上がりました!】


「お、ラッキー」


【ドライチサン】「おめ〜」

【ティーエス】「おめっと!」

【カティン】「そんなうまそうなもん作ったら、スキルレベルも上がるよなあ?」

 etcetc...


「ワフワフ」


 キラキラした目でしっぽフリフリ……

 ルピはよく食べるよなあ。食べた分、大きく強くカッコよくなってるけど、可愛さは変わらず。むしろアップしてるかな。


「じゃ、半分こしようか」


 片方をインベに放り込んで、もう片方を串から抜く。

 まだちょっと熱いので半身に割って、少し冷ましてからルピと分ける。


「うまー」


「ワフー」


 コメントがまた悶絶してるけど、そんなことより白米が欲しい……


<そろそろ1時間ですー。終わりにしましょうかー>


『ショウ君、そろそろ終わりの時間です』


「はやっ、なんかあっという間だった」


【コージ】「俺氏、体感3分」

【レーメンスキー】「俺、終わったらコンビニ行くんだ……」

【デイトロン】「<無理せず頑張って:10,000円>」

【モルト】「<祝収益化(遅):1,000円>」

【ズンダモッチ】「<収益化おめ!:1,000円>」

 etcetc...


 うわわわわ! 投げ銭が雪崩を打って流れてくのやばすぎるっ!


『あ、ありがとうございます!』


「え、えーっと、このライブは今後もまったりなんで、そんな感じでお願いします」


<二人とも落ち着いてくださいー。最初だけですよー>


 そうは言われてもビビるんですよ!

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