第290話○嬉しい話が続々

 今日からいよいよ「赤い月と青い太陽」のアニメが放送される!吟遊詩人イヴェットは余り出演しないものの初回だけはけっこうセリフがあったので楽しみ。いい機会なので紅葉の描いている原作も改めて読み直したけど、3巻あたりから吟遊詩人イヴェットの出番が増えるんだよね。今回のアニメは1巻までなのでアニメが三期まであるとセリフが増えるかも。そんな先のことを楽しみに出来るのは嬉しいよね!


 そんな4月7日、本当は日帰りで高松まで出かけて讃岐うどんの名店を巡る食べ歩きロケの予定だったのだけど、関西から西のほうは昨日から春の嵐が吹き荒れていて西日本方面へ行く飛行機は軒並み欠航、現地で取材予定だったお店も軒並み臨時休業とのことで急遽ばらしになって、一日空いてしまった。本場の讃岐うどん……。

 せっかく一日空いたので事務所でみっちりと自主レッスンをこなすことにして、カバボクシからレッスンスタジオを確認すると本社ビルの17A54に13時から18時まで空きがあって予約が取れた。カバボクシで予約が取りやすくなったのもあるのか、レッスンスタジオはかなりの数があるのに今年に入ってから当日はもとより前日でも予約が取れないんだよねえ。1か月に一回はみんなでレッスンしようなんていっていたけど場所が取れなくて出来ずにいるくらいの状況で、今日は本当に運が良かった。

 うーん、一人もなんだし、せっかくだから誰かと一緒に自主レッスンしたいよね。へべすTlackで取れたことを流してみようかな?


 早緑美愛 10:11

 ロケがばらしになったんで本社ビルのレッスンスタジオを13時から18時まで押さえたんだけど、誰か時間あったら一緒に自主レッスンしない?

 柊瑠乃 10:13

 参加したい!

 早緑優璃 10:13

 参加させてください!

 儘田海夢 10:13

 見学したい!

 上水ここな 10:14

 皆さん、うらやましい!

 岡里いろは 10:14

 参加したい!お昼も一緒に食べよう!

 日向夏へべす 10:14

 みんないいなあ。

 早緑優璃 10:15

 私は午前中もレッスンなので、13時にレッスンルームへ直接行きます!

 早緑美愛 10:15

 カバボクシで瑠乃、優璃ちゃん、海夢、いろはの追加登録しておくね。もし来られるようになった人がいたら連絡してくれれば追加登録するよ!

 沼館華菜恵 10:15

 ランチいいね。今日は仕事の関係で13時には席に戻ってないといけないから11時半でも大丈夫かな?

 岡里いろは 10:16

 OKだよ!

 柊瑠乃 10:16

 午前中仕事なんだよねー。スタジオで合流するよ。

 早緑美愛 10:16

 私は問題なし!

 儘田海夢 10:16

 12時くらいまで打ち合わせがあるから13時に直接行くよ。


 やりとりが一段落したのを見計らって、まずはアプリで人数を追加する処理をしてパスコードを発行っと。瑠乃、百合ちゃん、紗和、彩春へ部屋番号とパスコードをDMして……。おっ、アプリに続々と承認の依頼が来た!一人ずつ承認ボタンを押して、追加登録も無事に完了!よし、みんなでレッスンできるぞ!楽しみだなあ。


「圭司はどうする?」

「今日は原稿を書いているよ。」

「判った!頑張ってね!」

「うん、ありがとう!」


 一緒に身体を動かせないのは寂しいけど原稿も大事だから仕方ないよなあ。あっ、もちろん圭司との関係は引き続きとても良好だよ。エッチの方は毎日しているわけではないけれど、何度かしたおかげか、少し気持ちいいかもって思えるようになってきたから歌やダンスと同じで何事も回数を重ねていくことが大事なのかも?


 人数も確定したので、太田さんに今日は仲間内で自主レッスンにする旨を伝えたらちょうどいいから太田さんのデスクに少し顔を出して欲しいとのこと。それじゃあ、少し早めに出るかな。圭司といってきますのキスをして10時半過ぎに家を出る。白山通りでタクシーに乗って、いつものように事務所の地下から太田さんのデスクへ向かう。


「おはようございます!」

「美愛、おはよう。」

「「おはようございます!」」


 今日は皆さん勢揃いだった!メインデスク脇にあるサブチェアに座ると太田さんが早速何やら資料を出してきた。


「いろいろあるんだけど、まず、早いんだけど、12月10日11日の渋アリ2Daysが決まった!」

「ええっ!すごいですね!」

「なんと、今回は不戦勝よ!今年度からシステムがアップデートされて、誰がいつの予約抽選に入れたかが見えるようになったんだけど、私が入れたら間違いなく美愛のライブだって判るからみんな避けてくれる感じ。」


 相手がよけるとはさすが太田大魔神!


「あと、これは会社からの依頼で梅田にいま建設中の複合施設に出来るアリーナのこけら落とし公演2日目に美愛の出演が決まったわ。7月17日日曜日の予定。」

「そんな施設を建設していたんですね!?また、フェスですか?」

「今回は単独公演よ!試しに企画を出したらすんなり通ってビックリしたのよね。ちなみに1万席。あとね、こちらもすんなり通ったんだけど、10月29日30日の梅田2Daysも決まったから。」

「ええっ!?」

「あと、いま、うちの会社はほかにもいろいろと再開発にも関係しているんだけど、名古屋と福岡で進んでいる再開発は今年の後半にオープンだから上手く予約取れれば11月に名古屋公演と福岡公演もやって、東名阪福ツアーになる予定だから諸々決まったら正式発表する予定よ。」

「ちょっと、太田さん、すごすぎます!」

「まだあるの。」

「まだあるんですか!?」

「せまじょのアプリゲーが今日ようやくまとまったんだけど、オープニングムービーで流す曲の歌唱が美愛に決まった。」

「せまじょのアプリオープニング曲ですか!」

「いろいろあって、最終的に運営だけじゃなくて開発もオクダイナンコさんになってね。KAKUKAWAさんと開発と運営の実務を担当するオクダイナンコスタジオさんとうちとでブラジリアさんに話を持っていったら、快諾してくださったんで、正式決定。アニメのオープニング曲も美愛だったし、やっぱり取りたい仕事だったから良かったわ。」

「私もうれしいです!」

「美愛から何かある?」

「あっ、気になっていたんですけど、瑠乃の公式配信に出るかもっていっていた件はどうなりましたか?」

「あー、あれはいったん見合わせ。」

「そうなんですね。」

「美愛の力を借りなくてもチャンネル登録者が順調に伸びているから今後のためにもいったんは自力でどこまで伸びるか確認したいのよね。」

「なるほど、そういうことですか。」

「まあ、どこかのタイミングで出てもらうかもだけど、しばらくはない感じね。」

「判りました!」


 瑠乃も順調なんだなあ。嬉しいよね!


「ほかになにかある?」

「私からは特にないです!」

「じゃあ、私から最後にもう一つ。」

「まだ隠し球が!?」

「ありがたいことにディナーショーの依頼がいまからもう来ていてね。詳細はこれから詰めていくけど、去年は日程のあわなかった所も追加になって、開催場所が増えるかもしれないから覚悟しておいてね。」

「わ、わかりました!」


 本当に太田さんの営業力ってすごいよね。嬉しい告知のあとも少し雑談をしていたら11時半になったので、華菜恵と一緒に太田さんのデスクを出て、彩春と1階のエレベーターホールで合流してから近くのデンキトファミレスへ向かう。華菜恵とこんな感じでランチするのはなんかすごい新鮮だね!

 ランチのあとは仕事に戻る華菜恵とわかれて、そのまま更衣室でトレーニングウェアに着替えてから17A54へ向かう。


「おはようございます!」

「未亜、おはよう!」

「えっ、紗和どうしたの!?」

「みんなと一緒にトレーニングできたら面白いかなって思って、実はウェア、買っておいたんだ!どう?」

「すごい似合っているよ!」

「えへへー、ありがとう!」


 そうかあ、紗和も一緒にレッスンしたかったんだね!あとから来た瑠乃と百合ちゃんも驚いていた!ちなみに百合ちゃんは昨日入学式だったんだって。池袋芸術劇場の大ホールでやったそうで「いつかはここの舞台に立ってみたいと思いました!」と目をキラキラさせていたけど、百合ちゃんなら近いうちに立てそうな気がするよね。

 そのあとは18時までみんなで一緒にダンスや歌唱レッスンをして、汗を流した!仕事仲間だけど親友でもある、そんな関係がとても心地いい。嬉しい話も多かったし、「赤い月と青い太陽」をエゴサした反応も上々だったし、これからもがんばるぞ!

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