第265話●2年次の受講科目を決める
食事のあとは去年の履修要覧や去年も大活躍した
彩春「実はオーソドックスな
華菜恵「私もいろはっちと同じで受けなかったなあ。今年はちょうどいいかもね。まず、さわっちがなにを受けたいかを聞いてから決めていこうか。」
紗和「私はこの辺かな。」
科目等履修生も半期に22単位までだそうで、語学とかゼミとか実習とかは受けられない。除外されている科目は1単位とかもあるけど、普通の科目は2単位だから科目数に換算すると11科目まで受講出来るということを紗和さんに説明する。
紗和「1科目1単位じゃないんだね!?良かった、22科目受けようとか思ってなくて!」
圭司「うん、なんか、予習がいるものは2単位で、そうじゃないものは1単位だって読んだ記憶が……あっ、ここ、16ページ。」
朋夏「初めて知ったよ!」
瑠乃「朋夏!?」
未亜「実は私も……。」
華菜恵「えっ、みあっちも!?」
慧一「在学生も知らなかったみたいだから、紗和さん、安心して。」
紗和「安心していいのか判らないけど、とりあえず判った!」
単位の話はさておいて、話を先に進めていく。ほかの制約事項を確認したら、あとは出願時に秋学期まで全部決めて申請しなければならないとのこと。俺たちはまだ秋の申請は出来ないので、秋学期の前にまた集まって、紗和さんが申請したものを元に決めよう、ということになった。
紗和「授業はシラバスっていうのをネットで見られるって聞いたから明貴子から借りた履修要覧とかを見ていろいろと調べて決めたんだ。」
彩春「大学が貸してくれればいいのにねー。」
瑠乃「本当だよね。」
紗和さんが選んだのは、春学期が基盤教育科目から音楽学、経済学、法学、心理学、コンピュータ・リテラシィ、あとは文学部の専門科目から日本文化表象とフランス文化・文学研究。秋学期が基盤教育科目から哲学、社会学、人類学、生物学、政治学、文学部の専門科目からドイツ文化・文学研究、社会学部の専門科目から社会情報学基礎論の「インターネットと社会」という注釈が付いている方を選ぶそうだ。。
紗和「調べていてビックリしたんだけど、取りたい科目が全く同じ時間に重なることもけっこうあるんだね。しかも上限もあるから春と秋に分散させるのがけっこう大変でさー。もう少し受けたかったんだけど、けっこう重なったりしてて、今回はこんな感じになった。結果的にそれが良かったみたいだけどね。」
確かに紗和さんははじめての履修選択だもんな。その戸惑いはよく判る。
朋夏「そうなんだよ。それで同じ科目名なのに複数開講されていて、先生によっては内容もけっこう違うから戸惑うよね。」
彩春「あー、朋夏、そういうのあったね。二人で悩みまくったもんね。」
朋夏「いつもはすぐ理解する彩春も悩んでたもんね。」
明貴子「それでいうと私は、名前があるのに今年は開講しませんみたいなものもあってビックリだった。」
華菜恵「あきっちもそこ戸惑ったんだ!わたしは、このAとBっていうのも戸惑ったんだよね。」
未亜「あっ!わかる!圭司と履修登録したときに二人で何の違いだろうって悩んだよー。」
圭司「懐かしいな。心理学で隣の席になって、ソコスでランチしたあとだよな。」
未亜「そうそう!そのとき!」
圭司「あのときはまだ敬語からラフな感じに変えたばかりだったからなんか言葉遣いが変だったけどな。」
未亜「それはお互い様だよー。」
圭司「結局、春学期開講がAで秋学期開講がBっていうことだったって、理解できたけど、説明入れて欲しかったよね……って、みんなどうしたの?。」
なんかみんながとてもニヤニヤしている。
朋夏「いやあー、あのインタビューは本当だったんだなあって思っていただけだよ!」
未亜「インタビュー?」
瑠乃「朋夏、二人が交際発表したインタビューのことだよね?」
朋夏「瑠乃、ご名答!」
未亜「えー、そんなウソいわないもん。」
明貴子「心理学は確かに階段教室だったよねー。4月の初めからラブラブだったなんてうらやましいなあ。」
彩春「二人はすぐ自然体でのろけるからねえー。」
いやあ、だって、そりゃあねえ。
紗和「この息の合ったやりとり、もう、フィアンセを通り越して、夫婦みたいだよねー。」
明貴子「紗和のいうとおりだね!」
未亜・圭司「「まだ結婚してないよ!」」
みんな「「「「「「「まだなんだね!」」」」」」」
未亜・圭司「「あっ!」」
しばらく冷やかされつつ、軌道修正をして、受講科目を決めていく。社会学部の社会情報学基礎論は、他学部他学科開放科目になっていて、華菜恵さんが受けようと思っていた科目だったそうで、最終的にみんなどれかは紗和さんと一緒になった。
ちなみに未亜と俺は、春学期が音楽学、日本文化表象、フランス文化・文学研究、秋学期が、社会学、政治学、ドイツ文化・文学研究で紗和さんと一緒になる。語学が変えられることも未亜からみんなにやり方の説明があって、体制は万全かな。
紗和さんと中学生以来、久しぶりに机を並べて勉強が出来るのはなんか嬉しいなあ。みんな仕事もあって忙しい中ではあるけど、せっかくこうやって同じ大学に通っているんだし、テスト前には勉強会とかもやりたいよね。
紗和「さっき、二人には話していたんだけど、科目履修とはいえ、みんなと同じ大学で学べるってなんか嬉しいんだ!」
未亜「私も嬉しいよ!」
紗和「未亜、ありがとう!」
瑠乃「紗和も加えて、みんなでランチしたいね!」
華菜恵「確かに!しまっちにTlackで教えよう!」
朋夏「ちなみに大崎とは関係ない友達も一人ランチ仲間にいるんだ。
瑠乃「そうしたら、朋夏、本名で紹介してもらおうかな、学校の友達になるわけだし。」
サモか「うん、判った!」
瑠乃「そういえば、磨奈から少し前にDMが来てた。『瑠乃ちゃんの配信聞いているよ』って。彩春の公式配信に私が出たんでアイドルとしてデビューしたって知ったんだって。なんか照れくさいよね。」
彩春「あー、磨奈はなんか私の配信をまめに聴いてくれているみたい。ほんと、ありがたい。」
華菜恵「まなっちは完全に一般人だもんね。私も一般人ではあるけど、大崎でバイトしているからちょっと違う感じの一般人だし。」
圭司「磨奈さんには、どこかのタイミングでこの辺の関係性は伝えた方がいいよね。」
彩春「うん、圭司くんのいうとおりだね。」
瑠乃「そのときはもちろん私もOKだよ。私だけ正体明かさないのも変な話だし。」
彩春「了解だよ。そのときは私と瑠乃で音頭とるのが良さそうだね。」
朋夏「そうしたら場所は私が押さえるね!」
明貴子「朋夏、どこにするの?」
朋夏「事務所の会議室とかいいんじゃないかなあって。」
瑠乃「ああ、それはいいね。」
圭司「それ、都合が付きそうなら俺の妹も呼ぼうかな。今後のことを考えると先に知っておいてもらった方がよさそう。」
朋夏「うん、百合ちゃんも紹介しよう!それでそのあと、例の創作和食のお店に行こう!」
彩春「みんな、朋夏がごちそうしてくれるって。」
朋夏「ごちそうするけど、先にいわれた!」
未亜「やったー!」
磨奈さんがこれで何かをしていたらちょっとチート過ぎるけど、話している感じではそれはなさそうだから安心かな。大学が始まったら考えていこう!
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます