第054話○福岡公演当日です!
同じセトリでやるのはこの公演がラスト!おとといは疲れすぎててちょっとマイナス思考になったけど、昨日のリハも上手くいったし、気持ちを切り替えて、最後まで楽しむし、楽しんでもらうよ!
「本日は早緑美愛ライブツアー『First Impression』福岡公演へお越しいただきありがとうございます。まもなく開演いたします。ロビーにいらっしゃるお客様は会場内へお入りください。」
いつものように場内アナウンスが入ると俄然気持ちが盛り上がってくる!
「みなさん、袖で待機をお願いします。」
「「「「「はい!」」」」」
福岡はいままでのライブハウスと違って、地元のホールが会場になっている。ホールなので舞台袖で待機している。
「おーし!福岡行くぞ!」
「福岡公演、ファイトー!」
「「「「「おーっ!」」」」」
〈ブーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーッ
私の公演ではできるだけ開演のブザー音を流してもらっている。ライブハウスなんかだと流せないこともあるんだけど、やっぱりいよいよスタートっていう合図が欲しくてね。ブザーが鳴ると見ている方も「始まるぞ」ってワクワクするし!
ここはホールということもあって、このライブツアーで初めてブザー音を流すことが出来た。
ブザーの鳴り終わりで、まずバンドメンバーがステージに上がり、配置につく。いままでのライブハウスと違ってステージが広いので余裕を持った配置になっている。
♪~
そしてイントロだ。スタッフさんの合図で私も舞台入りする!
ステージに出た。いつものライブハウスよりも少し遠いけど、天井が高い分、みんなの声が響く!中野を思い出すなあ。そして出だし!よしっ問題なく声が出ている。Cメロ前の間奏、二階席の一番奥に圭司がいるのを確認!うん、いい感じだね!
2曲目でメンバー紹介、そしてそのまま5曲まで一気に歌いきる。MCいくよ!
「福岡のみんなー!九州初上陸!!!」
「いぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!」
福岡のノリはほかよりも情熱的かもしれない!
「みんなー!今日は早緑美愛ライブツアーFirst Impression九州公演へようこそー!今日もここで水飲みます!みんなも水をちゃんと飲んでね!」
メンバーも水を飲む。
「今日も『アイマイ』から『センチメンタルにはならない』まで歌ったよ!福岡のみんなも大盛り上がりで嬉しいなあ!最後までみんなで楽しもうね!じゃ、次の曲!」
ポップスは安定して歌えるようになってきた。大山さんの指導のおかげだと思う。やっぱりノリが情熱的だ。コールも激しい!
「みんな、情熱的だね!いままでのライブの中で一番熱いよ!さすが九州!そうそう、ほかの会場でも聞いたからここでも!九州から来ているみんな手を挙げて!」
ほぼ全員!やっぱり地元の人が多い。嬉しい!
「すごいすごい!ほとんど九州だね!いままでなかなか来られなくてごめんね!」
大喜びの拍手と歓声がすごい!
「さあ、ここからはしっとりと聞かせるからね!熱い美愛とは違った歌を楽しんでね!」
さてバラードゾーンだ。横浜公演のこともイメージしながら一曲ずつ丁寧に確かめていく。レッスンの成果がちゃんと表現できている。うん大丈夫。5曲目の「主役」もちゃんとはまった。上々の出来!プロンプターに書かれたカンペを確認して話をする。
「ここまでバラードでした!今回のツアーは事前にお知らせの通り、基本的にセトリは全会場一緒。でも次の曲は福岡のみのお届けだよ。全部ライブでは初披露の曲なのでもしいままで来たことがあるよーっていう人も聞いたことがないはず。じゃあ、聴いてね。友達に戻ろう。」
ほかの会場と同じ「新たなはじまり」のあと、新曲の披露になる。
「2曲お届けしました。それでは福岡でもここで新曲をお届けしましょう!」
福岡をテーマにした4thアルバムの新曲である「あなたがくれた人形」をここで歌う。
「新曲『あなたがくれた人形』を聴いていただきました。博多人形をイメージして作られた曲なんだけど、すごく幻想的になっていて、いままでの美愛とはちょっと違う感じかな。歌っていて、とても歌いごたえのある曲なんだ。名残惜しいけど、そろそろお開きの時間。定番の2曲だから知っている人も多いかな?最後まで駆け抜けるよー!」
福岡でも「幕が下りるとき」「カーテンコール」をアンコール前のラストで披露してあいさつだ!
「今日はありがとうございました!早緑美愛でした!」
いつもアンコールの拍手が本当に心に沁みて嬉しい。慌ただしく楽屋で福岡公演限定Tシャツに着替える。
告知映像が終わってすぐにバンドメンバーがステージへ戻る。「ハートを捉まえて」のイントロが入った!最後も楽しもう!
「みんなー!アンコールありがとう!ラスト楽しもうね!」
「ハートを捉まえて」と「神様が微笑む森」で締めて大きな拍手と歓声をもらう。本当にみんな、嬉しいよ!
福岡も五人で手をつないで、
「本日はありがとうございました!」
とノンマイクで叫んだ。さあ、最後の横浜公演を残すだけだ!
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