第226話 腹痛

 「よし、ここじゃ狭い、外へ出て戦うぞ」「OH!」


 「え、外に出て戦ったら、すぐにマナ枯渇して制御不能に・・・」

 「あら、人の話聞かないで、出て行っちゃったよ」


 外に出た俺達は、ツーチェを偵察に飛ばした。


 敵、およそ8千、距離1kmのところをこちらに向かって進行中。

 思っていたより数が多いですね。


 「よし、とりあえずは攻撃はしないで防御に集中、守りの堅いところを見せてやれ」


 「OH?」


 風向きはこっちが風上か、好都合だ! 距離は残り700mてとこか、頃合だな。


 「お腹ピーピー!」 俺は腹が痛くなる魔法を敵軍にかけてやった。


       ★  ★  ★ 


 「ノバク将軍、敵のモンスターが、ダンジョンの前に並んで勢揃いしてます」


 「ばかなやつらだ、わざわざ有利なダンジョンから出て迎え討とうとは・・・」

 「重装歩兵を前に、魔法隊を後ろにして、全軍突撃!」


 突撃を開始した、アニベロス軍は、残り500m位で足並みが乱れた。


 「すまん、急に腹が痛くなってきた、隊列を離れる」

 

 「おまえもか、俺も腹が痛いから、う、ごろごろ・・・」


 「どうしたんだ、突然隊列が乱れ始めた、モンスターに臆したか?」


 「ノバク将軍伝令です、前線の重装歩兵および魔法隊が急に腹痛らしいです」

 「ひょっとしたら、内部に密通者がいて、毒を盛られたのかもしれません」

 「いかがなさいますか?」


 「ええい、しかたがない、腹痛が治るまで撤退だ」


      ★  ★  ★ 


 「おいおい、どうなっているんだ、俺たちの目の前にまで来て撤退して行ったぞ?」


 「なあ、俺にはそこかしこで、しゃがんで尻出して用を足しているように見えるんだが」


 「いや、俺にもそのように見えるわ、とりあえずマスターに報告だな」


 「敵、撤収したんじゃしょうがないね、食事でもして待っていようか?」

 「はいじゃ、これくじ引き」「○がついてるのが外の見張り役」


 「あれ、マスター準備いいですね・・・」


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